強豪を迎え撃つ茨栃勢

武田豊樹

神山雄一郎
武田豊樹を主軸に栃茨勢が強力なラインを形成する。武田は3月松阪記念、4月高知記念と決勝進出こそを逃したが、高知では3日間ラインの先頭で自力を出して、ダービーへ向けて好感触をつかんでいた。その京王閣ダービーでは決勝に進出。今年はビッグレースでしっかり結果を残している。今シリーズも自力、番手を使い分けることになるだろうが、それは「総合力を磨く」という目標へ避けて通れない道だ。ここもしっかりと関東の軸としての役割を果たす。神山雄一郎は4月西武園記念で平原康の仕掛けにしっかり続いて2着を3つ並べた。今年序盤は落車、失格が続いたが、ここへ来てようやく調子が上がってきた感じ。通算10回目の地元記念優勝へ、ムードは高まっている。神山拓弥はウィナーズカップの失格から成績は一息だが、状態は維持している。玉野記念で見せた脚はライン固めだけにはとどまらない。追加参戦の牛山貴広も京王閣ダービーでは鋭い決め脚を見せていた。

稲垣裕之
もう一人のS班、稲垣裕之を擁する近畿勢は関東勢と互角の戦力を有している。稲垣は京王閣ダービーでまさかの二次予選敗退。その前の西武園記念から使い始めた新フレームが合わなかったことが敗因だ。フレームを元に戻した3走目は本来の力強さが戻った。今シリーズは稲川翔の援護も頼もしいし、勝ち上がりによっては山田久徳、稲毛健太との連係も。近畿勢が大挙して勝ち上がれば、優勝争いの勢力図は大きく変わりそうだ。稲川にとってもスジの目標が豊富なここはチャンスだ。ウィナーズカップ決勝の落車はあったが、4月青森では気迫の走りを見せていた。6月には地元での高松宮記念杯も控えている。結果を残して弾みをつけたいところだ。
山崎芳仁にとってはこれが3カ月ぶりの記念配分となる。その間にF1を3回走って2度優出に失敗しているが、動き自体は悪くなかった。ここ欠場した平原に代わり小松崎大地が追加参戦したことで北日本勢の戦力はさらに強化された。直前の西武園記念で落車した菅田壱道も大事には至らなかったようで、ここも前々自在な走りを見せてくれるだろう。
南関勢は山中秀将、海老根恵太の千葉コンビが主力。山中は2月四日市記念を制すなどGレースでも名前負けしなくなった。海老根もここ5場所で2Vとタテ脚健在だ。
前年度覇者の園田匠に松岡貴久の九州勢も軽視できない。小倉竜二は目標手薄な開催でどう立ち回るか。

深谷知広 欠場