牛山貴が記念を初制覇

牛山貴広
「身近にすごい人(武田豊樹)がいるし、いつかいける気はしていた」。
デビューから約10年。その言葉が現実になった。輪界をけん引する武田豊樹の背中を見続けた牛山が、富山の地で記念を初制覇した。
「まだ実感はないですね。武田さんに見てもらって、ここまでやってきて。厳しい指導のおかげだと思っています。ちょうど一年前に怪我をしたんですけど。家族にも支えられてきたし、記念を獲れて良かったです」
レースは号砲で牛山が飛び出す。しかし、「木暮が前が良いと言っていたけど、取れなかった」と濱田にスタートを取られ、関東勢は後ろ攻め。隊列が激しく入れ替わったが、結局後方に置かれる苦しい展開に。それでも木暮が最終ホームからスパートすると、牛山はしっかりと追走。最後はまくった木暮をゴール前で差し切った。
「木暮はホームで緩んでいないのに、いってくれて。それが先まくりを防いでくれました。(関東ワンツーは)最高の結果です」
美酒に酔いしれることなく、理想のスタイルを追い求める。師匠譲りの上昇志向で、今後も激戦に身を投じる。
「前で走っていた時は後ろの選手が止めてくれていたし。ラインのために走れるような選手になりたいですね。(競輪祭の特選の権利が取れたので)また、そこも目標にして頑張りたい」
木暮は交わされたものの、ワンツーを決め納得の様子。
「よかったですよ。今日は村上さんに絶対に勝つ。それだけでした。初日に同じような展開でタイヤ差で負けてますから。ああいう展開は予想してました。僕が切って、郡司君、浅井がいけば、山田君がドカンと行くでしょう。そこで自分は落ち着いて行こうと。ホームで緩んだからいきました。レース運びはできたと思います」
和田が3着。目標の郡司が内に詰まったが、2センターから外を回すと直線で鋭く伸びてきた。
「郡司君は浅井君のところでからんでしまったね。それが大きかったけど、それがレースですから。郡司君が前に攻めてくれたおかげです」
村上は後輩の気持ちを汲んで番手まくりを放ったが、初日の様にはいかず。木暮に屈して4着に終わる。
「できることなら、ラインで4コーナーを回ってきたかったけど…。木暮君も牛山君も強かった。合わせられると思ったけど、木暮君の脚が違いました」
浅井は4番手を取ったものの、郡司に内をすくわれると最終バックで後退した。
「ホントにコケたかと思ったし、今後のこともあるんで。そこから内を突っ込もうと思ってたけど、まさか(郡司が)内にいるとは思わなかった。最後に脚を使えなかったのは残念だけど、そこまでは展開を上手く組み立てられたので」