• 弥彦競輪場開設67周年記念ふるさとカップ7/29〜8/1

後記 GⅢ 弥彦 07/29

歓喜の地元記念制覇

諸橋愛

諸橋愛

 笑顔のウイニングランでファンに応える諸橋愛選手。表彰式では感極まるシーンも(写真左)。逃げた7渡邉雄太選手の番手から1諸橋選手が渾身の追い込みで地元記念V。

 「よかったぁ。あぁ、よかったぁ。苦しかった」
 デビュー20年にして手に入れた地元記念Vをかみ締めながら、諸橋は何度も同じ言葉を繰り返した。
 2日目に吉田拓の後ろで競りを演じた木暮とは別線。渡邉とタッグを組んだ。
 「オマエが勝てる競走でいい。そうすれば俺にもチャンスがある」と、売り出し中の若手の力を信じた。
 急造のラインも、渡邉は迷わず風を切る。追い上げた木暮と稲垣で3番手がもつれると、その上を浅井が踏み上げるが木暮とからみ不発。浅井、木暮、稲垣のつばぜり合いが3番手で繰り広げられ、番手の諸橋に追い風は吹いた。
 「後ろがもつれるのは予想外だった。あとあおりをつくってと思った」
 浅井をどかした木暮が外併走からまくり上げると、諸橋が2発目のブロックで仕留めて直線を迎える。内から稲垣、外を椎木尾の近畿勢が迫るが、力いっぱいハンドルを投げた。
 「(最終)4コーナーからは自分のモガキじゃなかった。その辺がプレッシャーに弱いですね(笑)」
 椎木尾を4分の1輪振り切ってのゴール。4度目の記念Vは、地元だけに格別な思いがこみ上げてくる。
 「違いますね、さすがにここまでうれしいっていうのはない。2カ月くらい前、高松宮記念杯が終わってからは、ここを照準にしていた。うまく結果が出てよかった。年々体もいうことをきかなくなっている。しっかり休んで、また一から」
 不惑を迎えて初めてのシリーズで、地元記念を制覇。これからも自分の道を信じ、諸橋スタイルで突き進む。
 稲垣マークから外に持ち出した椎木尾が、諸橋に詰め寄るも2着まで。
 「おしい~、届いたかなと思ったんですけど」
 渡邉ラインを受けて好位確保の稲垣は、最後まで仕掛けられず中割りも及ばず。
 「(渡邉が)掛かっているなかで、木暮君が追い上げて来てへばりついていた。それで自分のコースが確保できなかった。最後は内に行くしかなかった」
 即席ラインだったが、渡邉はケレン味なく先行策。
 「(地元の諸橋が番手で)変なレースはできないから、荷が重かった。でも、よかった。(先行するタイミングが)早くなっちゃったけど、残れる感じもあった」

Race Playback

レース展開3

レース経過

誘導員 : 上原龍

 号砲で朝倉が飛び出し、木暮―朝倉が前受け。以下は、浅井―西村、渡邉―諸橋、稲垣裕之―椎木尾、阿部で周回を重ねる。
 青板バックで動く稲垣を制し、浅井が先に木暮に並び掛ける。赤板で今度は渡邉が踏み出すと、合わせて動く稲垣を叩いて2コーナーから先制。稲垣がすんなり3番手を確保し、6番手に木暮、浅井は8番手まで下げる。だが、打鐘2センターで木暮が動き、稲垣の外へ猛然と追い上げる。木暮を追って浅井も仕掛けたが、最終2コーナーで稲垣が外の木暮を押し返すと、このあおりで失速。3番手は依然として併走で、快調に逃げる渡邉の番手を回る諸橋には絶好の勝機が到来。外併走からバックまくりの木暮を止めた諸橋は、中を割る稲垣、外を迫る椎木尾をギリギリ振り切って地元記念初Vを果たした。

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