関東勢が総力を結集
豊富な陣容を誇る関東勢がシリーズをリードする。地元の諸橋愛は誰よりも気持ちが入っている。今年の前半戦は2月全日本選抜で優出するなど高いレベルで安定していた。6月岸和田の高松宮記念杯は一次予選で敗退したものの、敗者戦で3連対。差し脚は相変わらず冴えている。これからの関東を担う吉田拓矢、横山尚則ら目標には事欠かない。地元記念初制覇へ条件はそろっている。吉田は6月高松宮記念杯でG1初優出。スケールの大きな走りで一段とレベルアップしている。今シリーズもラインをけん引する。横山は6月久留米で記念初優出。決勝は先行策で長島大の優勝に貢献した。吉田とともに関東には欠かせない戦力に成長した。追加参戦の木暮安由も見逃せない。6月富山記念は準Vと好走。続く7月小松島記念は決勝で落車したが、大きなダメージはなかった。神山拓弥は7月奈良の準決勝で落車しており、ケガの状態が気がかりだ。
昨年大会覇者の浅井康太の存在感も光る。今年の前半戦は優勝が1度もなかったが、勝負の後半戦へこれからエンジンを上げていく。自力の強さはもちろん、番手の立ち回りも超一流であり、自在型として完成されている。中部ラインをけん引するのは竹内雄作だ。6月高松宮記念杯ではシリーズ3連対。成績の波は激しいが、自分のペース駆けたときは強じんな粘り脚を発揮する。近藤龍徳は5月高知で今年初優勝。好調時の切れが戻ってきた。
稲垣裕之も有力なV候補に挙げられる。6月久留米記念は決勝で1着失格。その悔しさを胸に、後半戦は反攻に転じる。今シリーズの前検日が40歳の誕生日。不惑を迎えた稲垣が新たな気持ちで再スタートを切る。椎木尾拓哉は追い込み選手として着実にランクを上げている。ここは稲垣をしっかりアシストして直線勝負にかける。
北日本勢は新田祐大の欠場で戦力ダウンは免れない。それでも追加参戦の佐藤友和、復活を遂げた成田和也、パワーアップした坂本貴史が力を合わせて戦う。
根田空史、中村浩士の千葉勢も軽視できない。根田は2日目からの補充で出走した6月高松宮記念杯で1勝を挙げた。大敗も多いが、ツボにはまったときの破壊力は抜群だ。中村は差し脚堅調。目標次第でⅤ争いにからんでくる。
合志正臣、香川雄介ら西の追い込み陣の動向も見逃せない。