• 福井競輪場開設67周年記念不死鳥杯7/22〜7/25

後記 GⅢ 福井 07/22

脇本雄が地元記念V3

脇本雄太

脇本雄太

 4車で結束した近畿勢。その番手を回った3脇本選手が、2コーナーからまくって激戦を制す。ゴール後はガッツポーズでファンの声援に応えた。表彰式では、笑顔で記念撮影。

 一段と成長して戻った地元のエースの優勝に、ファンは大いに沸いた。脇本が、プレッシャーを力に変えて地元記念を制覇した。
 「福井はG1だと思って走っているので、獲れて嬉しいです。(野原)雅也も突っ張ると言っていたし、後輪に集中して。雨の中での番手回りはこれまでになかったし、記念の決勝っていう大きな舞台で、改めて人に任せるというプレッシャーを感じました。雅也、(稲川)翔さん、村上さんに助けられて、優勝できました」
 世界を相手に戦う脇本にとって、2年ぶりとなった地元記念。今回の敵は自分自身だった。競技と本業のギャップに苦しむも、きっちりと修正し期待に応えた。
 「競技では、点と点の争いをしていて。自分が勝つ意識が強い。でも、競輪はそうじゃないって改めて思いましたね。気持ちが整った上で、ライン戦を意識して走る。競技思考との切り替えが抜けていなかったんですけど、修正できました」
 今後も競技と本業で多忙な日々は続く。しかし、自分を乗り越えた脇本なら、結果は付いてくるだろう。
 「この後も詰まっているけど、自分は空けない方が調子良い。あえて詰めました。空いてしまうと、競技の思考が抜けないので。そこを含めて、自分との勝負だと思っています」
 稲川が脇本に続いて2着。ラインの3番手を固めて、脇本を盛り上げた。
 「それぞれがやるべきことをやりました。その中で僕がもうちょっと詰め寄っていれば。後ろの村上さんにもチャンスがありました」
 3着の村上は、ラインの後ろで後輩の成長を感じた。
 「脇本は初日がダメだったけど、立て直してくれた。僕は自分の回った位置で仕事をしようと。ただ、(郡司との)接触があって車輪が…。最後はいっぱいでした。レース巧者で強い人がいる中で、展開を予想しにくかったけど、雅也も先頭の役割を果たしてくれた。今回、雅也と初めて連係して。一時は落車で悪かったけど、頼もしい選手になった。自分も課題がたくさんある。回る位置の中で、展開を読んでいけるように」
 北津留は、見せ場を作れず7着敗戦。
 「押さえるタイミングはあそこしかなかったけど、バック線が雨で見づらくて。2周半前だと失格になってしまうので。そこからいまいち踏めませんでた」
 岩津は、目標の北津留と共倒れに終わった。
 「近畿勢と逆のことがしたかったですね。後ろになったとしても、一回は主導権を取りたかった。僕たちの組み立てが甘かったです」
 単騎の後閑は思い描いた展開にならず4着まで。
 「(郡司の落車は)びっくりしました。郡司君が一波乱を起こしてくれればと思ったけど。あとは、北津留君が叩いてくれないと何もないですね」

Race Playback

レース展開3

レース経過

誘導員 : 北川紋部

 号砲と同時に村上が勢いよく飛び出し、近畿4車が前団に収まる。初手の並びは野原―脇本―稲川―村上、北津留―橋本、郡司、後閑の順で落ち着く。
 青板の2コーナーから北津留が上昇。前受けの野原は3コーナーで誘導員を交わしてこれを突っ張る。北津留が下げる一方、近畿勢を追った郡司が2センターで村上と接触して落車。赤板から再度、仕掛けようとした北津留に合わせて、野原は一気にペースを上げる。これで北津留は6番手の位置に戻り、一列棒状で打鐘を通過する。ハイピッチで駆ける野原の後位で絶好となった脇本は最終2コーナーから番手まくり。同時に踏み込んだ北津留はほとんど車が進まずに不発。最後まで力強く踏み切った脇本が後続の追撃を振り切り、2年ぶり通算3度目の地元記念制覇を果たした。続いた稲川が2着、村上が3着に流れ込み、近畿勢で確定板を独占した。

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