近畿の総大将・村上義

村上義弘
タレントそろう近畿勢が総合力でリード。その中心は村上義弘だ。怪我から復帰2場所目となった全プロ記念で落車し、再度ろっ骨を骨折。だが、出場が危ぶまれた高松宮記念杯は「走れる状態と判断してきました」と、万全でない状態ながら決勝に進出した。さらに、続く富山記念もVはならずも、優秀戦で郡司浩平に先行争いを挑むなど着。ここも一戦入魂のスタイルで期待に応える。脇本雄太は優勝した一昨年以来の地元記念参戦。5月函館記念着の初日特選では村上を連れての先行策で別線を完封するなどナショナルチームでの新しいトレーニングの成果も出てきている。問題となる疲れさえ残っていなければ3度目の地元記念Vも十分だろう。同じく地元の野原雅也も5月松戸、6月防府をVと上昇一途。こちらも一昨年の大会では3勝を挙げており大暴れの予感。稲川翔も的確な援護でラインを盛り上げる。一方、ダービー覇者の三谷竜生は、高松宮記念杯での落車の影響が心配。

武田豊樹
武田豊樹ももちろんV候補。今年は全日本選抜の準Ⅴを皮切りに、ビッグを全て優出と安定した成績を残している。高松宮記念杯の二次予選でも、目標が落車する展開からまくり上げて窮地を脱出。そして、準決勝では盟友・平原康に続き、きっちりと決勝に駒を進めた。調子のバロメーターとも言える自力にも冴えが戻った。今シリーズも後閑信一らとの連係で他地区を脅かす。

深谷知広
深谷知広は台湾での競技に出場すると、スプリント決勝でブフリを下して優勝。競技で早速結果を出すと、6月久留米記念では「感覚のズレ」を心配していたが、初日から別線を完封する先行策を披露。「先行に関しては問題はない。あとは違う展開になっても対応できるように」と不安を払しょくした。細かいポイントさえ修正できれば、世界レベルのパワーで敵を圧倒するだろう。深谷を目標にできる林巨人や、柴崎俊光もチャンスのシリーズと言える。

岩津裕介
岩津裕介はダッシュ強烈な河端朋之や太田竜馬を好操縦して逆転狙う。3月玉野記念の準V以降は一息の成績が続いた岩津だったが、5月全プロ着から状態上向き。久留米記念でも決勝に進出し、繰り上がりながら準Vと、俊敏さを取り戻した。
ダービーの落車からリズムを崩した郡司浩平。しかし、富山記念の準決勝は7番手まくりでライバル達を一蹴。決勝は組み立てに失敗して7着も、「体は良かった」と状態面の不安はなくなった。念願の平塚グランプリ出場へ、再び上昇気流に乗るか。
九州勢は高松宮記念杯でG1連続優出の山田英明に、抜群のキメ脚を誇る園田匠、今年は記念をV2の北津留翼らが参戦。他地区にも見劣りしない面々だ。山崎芳仁を軸に結束する北日本勢も侮れない勢力だ。