攻めに徹した村上義

村上義弘
富山記念からの連戦で連日、「疲れを感じる」と話す村上だったが、決勝戦では集中力が違った。「太田君が強いのは分かってるので、年齢に関係なく力勝負をしよう」。そう心に決めて臨むと、前受けから太田を突っ張る。太田に出られると、阿竹を飛ばして2角まくりで決着をつけた。
「ポリシーに反するレース。ホッとするけど嬉しさは…。初めて太田君と対戦するのでナメられないようにレースをしようと。太田君(の上昇)が様子を見ながら見ながらだったので、1コーナー、1センターで腹をくくりました」
グランプリ覇者として迎えた17年。3月玉野記念で優勝した直後の練習中、復帰2場所目の5月全プロ記念と落車の憂き目にあったが、「苦しい時期が続いたけど、練習だけはやってきた」と腐らず自分と向き合ってきた。シリーズ4日間で3走自力で戦うことも珍らしかったが、決勝を含めて自力で2勝。「復活と言われるまでの一歩目です」と村上も胸をなでおろす。
「見苦しいレースになったけど、またひとつずついいレースを見せられるように。来年もこの(SS)パンツをはいて走っていたい」
勝負の後半戦へ強い村上が帰ってきた。
さばかれた阿竹だが、外でたえて村上を追走。差せば地元記念初優勝だったが、その願いは叶わなかった。
「2周なら村上さんは突っ張りますよね。ああなったらラインが死ぬし自分もきつくなるだけ。しっかり一本棒になるように走れっていったけど、自分も追い上げられなかったので。コーナーのツケマイが難しかった。最後も何とか切り替えたけど一杯でした」
割り込まれた西岡が立て直して3番手に続いた。
「もうちょっと外帯線を外しとけば(村上についていけた)。打鐘の村上さんのダッシュがすごかった。3段階、4段階、全然違いますね」
太田は6着の結果にも、「今日は行こう(先行しよう)と思っただけ。村上さんのスピード感が突っ張るような感じじゃなかったので、すんなり駆けささんように上げよんかなと思った。後ろはわかりませんでした。まだまだ勝ちにこだわってるとこじゃないし、今回地元記念の決勝を経験できて勉強になりました」。