村上義弘が貫禄示す

村上義弘
今年後半のグレード戦線がここから始まる。Ⅴ争いの中心は村上義弘だろう。村上にとって小松島はドル箱バンクだ。10年の共同通信社杯春一番を無傷の4連勝で制覇。記念でも優勝実績がある。今年は春先に街道練習中の落車で鎖骨と肋骨を骨折。復帰戦の5月函館記念は決勝に進出したが、直後の和歌山全プロの落車でまたしても肋骨を骨折した。それでも高松宮記念杯では状態面の不安を気力でカバー。決勝までコマを進めている。近畿勢の層がそれほど厚くない今シリーズは自力のケースも予想されるが、一戦入魂のスタイルは変わらない。

原田研太朗
地元勢は原田研太朗をはじめ、小倉竜二、阿竹智史、堤洋と充実の布陣だ。05年の小川圭から遠ざかっているホーム記念制覇へ、一致団結して戦い抜く。四国の絶対的なエースとなった原田は高松宮記念杯の白虎賞で豪快にまくって快勝。二次予選は中団の内に包まれて大敗したように、組み立ての面で課題は残るが、状態面に問題はない。爆発的なパワーでホームバンクを駆け抜ける。小倉は落車が続いた影響でなかなか波に乗れないが、ここまでには立て直してくるはずだ。念願の地元記念制覇へお膳立ては整っている。阿竹は3年ぶりの地元記念参戦で脚もモチベーションも上がっている。

中川誠一郎
九州勢はS班の中川誠一郎、井上昌己、松岡貴久が争覇級に名を連ねる。中川は鎖骨骨折から立ち直り、本来のスピードがようやく戻ってきた。井上は6月四日市で完全優勝を飾ると、直後の高松宮記念杯は2年ぶりのG1優出を果たした。
木暮安由、神山雄一郎の関東勢も侮れない。木暮は高松宮記念杯の3日目特選で深谷知をまくって1着。調子は確実に上向いている。神山も高松宮記念杯の最終日特選で久々の勝ち星を挙げた。メモリアルの通算100回目の記念制覇も夢ではない。追加参戦の池田勇人も調子は上向いている。
新山響平、小松崎大地の機動型2枚をそろえる北日本勢も見逃せない。3月大垣記念の決勝は新山が主導権を握り、小松崎が番手まくりで記念初優勝を飾っている。
石井秀治は5月京王閣ダービーの敗者戦で4連勝。その後も好調を持続している。

浅井康太 欠場