• 豊橋競輪場開設68周年記念ちぎり賞争奪戦8/19〜8/22

後記 GⅢ 豊橋 08/19

愛知トリオで最高の結末

金子貴志

金子貴志

 通算10回目、地元では3度目となる記念優勝を飾った7金子選手は地元ファンの大声援に手を挙げて応える。

 河端を深谷が強引にまくり切った段階で勝負は決まった。あとは金子が差すか、深谷が押し切るか。金子は直線で車を外に持ち出すと、ゴール寸前で深谷をとらえて57周年、64周年に続き3度目の地元記念を制覇を飾った。開口一番、「ワンツースリーで決まって、本当に嬉しい。最高でした」。大粒の汗をぬぐいながら、笑顔でレースを振り返った。
 「いい緊張感を持って走れました。深谷が優勝してくれればよかったし、抜けるとは思ってなかったです。河端君もかかってて、深谷が無理やり仕掛けてくれた。それでも行き切ってくれたんで」
 オールスターから中2日だったが、「疲れは大丈夫」と勝ち上がりの段階で話していたとおり、集中力を切らさず4日間を戦い抜いた。ここからは次の共同通信社杯まで時間は空く。「3週間あるので、しっかり仕上げていきます。練習でも気持ちが入るし、し甲斐がありますね」。深谷、金子の最強師弟コンビが後半のグレード戦線でも躍動する。
 愛知勢での上位独占は深谷の走りがあってこそだ。
 「作戦どおりに走れました。関東勢が前を取ったんで突っ張りだけ警戒して、あとは自分のレースと思ってました。河端さんがかなりかかってて、キツかったんですけど、何とか出切れました。ワンツースリーなんで最高の結果だと思います」
 巻き返してきた阿部にからまれた吉田だったが、2センターで併走に決着をつけると3着に続いた。
 「来るならそこ(自分のところ)しかないでしょ。落ち着いてたね、深谷が。よかった俺が先行選手で、じゃなきゃ(踏み)負けてるでしょ。ホッとした。あの位置で3着なら十分でしょ」
 愛知トリオに対し先行勝負を挑んだのは河端だった。
 「すんなり3番手を取らせてしまいましたね。ホームで流したら、深谷はすぐ来たと思う。深谷の強さ、プレッシャーに負けました」
 単騎の伊勢崎は「(深谷が河端を)突っ張ってくれないと出番はない。4コーナーからもコースはあったんだけど、8番(黒田淳)とからみそうになってバック踏んだからね」。巻き返し不発の阿部は「深谷が河端さんを出させるとは思わなかった。それでも打鐘過ぎの3コーナーで行ければ…。反省点が多いです」と、それぞれレースを振り返った。

Race Playback

レース展開3

レース経過

誘導員 : 吉田健市

 号砲が鳴ると、志村が河端とのスタート争いを制して誘導員後位へ。隊列は阿部-志村-磯田、河端-黒田、深谷-金子-吉田、単騎の伊勢崎の並び。
 青板の4コーナーから深谷が上昇。合わせて踏む阿部を押さえ、赤板の1センターで先頭に躍り出る。河端は愛知勢に続いて様子を覗うと、打鐘から一気に踏み上げて主導権を奪った。岡山コンビを受けた深谷は、絶好の3番手を確保。後方に置かれた阿部は最終ホームから反撃に出たが、中団でいっぱいに。すると、深谷が2コーナーから満を持してアタック。抵抗する河端を直線入り口で捕らえた。金子は深谷の仕掛けにきっちり続くと、ゴール寸前で差し切って優勝。吉田は阿部に絡まれるも、2センターで捌き3着に入線。地元勢で上位独占となった。

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