愛知トリオで最高の結末
河端を深谷が強引にまくり切った段階で勝負は決まった。あとは金子が差すか、深谷が押し切るか。金子は直線で車を外に持ち出すと、ゴール寸前で深谷をとらえて57周年、64周年に続き3度目の地元記念を制覇を飾った。開口一番、「ワンツースリーで決まって、本当に嬉しい。最高でした」。大粒の汗をぬぐいながら、笑顔でレースを振り返った。
「いい緊張感を持って走れました。深谷が優勝してくれればよかったし、抜けるとは思ってなかったです。河端君もかかってて、深谷が無理やり仕掛けてくれた。それでも行き切ってくれたんで」
オールスターから中2日だったが、「疲れは大丈夫」と勝ち上がりの段階で話していたとおり、集中力を切らさず4日間を戦い抜いた。ここからは次の共同通信社杯まで時間は空く。「3週間あるので、しっかり仕上げていきます。練習でも気持ちが入るし、し甲斐がありますね」。深谷、金子の最強師弟コンビが後半のグレード戦線でも躍動する。
愛知勢での上位独占は深谷の走りがあってこそだ。
「作戦どおりに走れました。関東勢が前を取ったんで突っ張りだけ警戒して、あとは自分のレースと思ってました。河端さんがかなりかかってて、キツかったんですけど、何とか出切れました。ワンツースリーなんで最高の結果だと思います」
巻き返してきた阿部にからまれた吉田だったが、2センターで併走に決着をつけると3着に続いた。
「来るならそこ(自分のところ)しかないでしょ。落ち着いてたね、深谷が。よかった俺が先行選手で、じゃなきゃ(踏み)負けてるでしょ。ホッとした。あの位置で3着なら十分でしょ」
愛知トリオに対し先行勝負を挑んだのは河端だった。
「すんなり3番手を取らせてしまいましたね。ホームで流したら、深谷はすぐ来たと思う。深谷の強さ、プレッシャーに負けました」
単騎の伊勢崎は「(深谷が河端を)突っ張ってくれないと出番はない。4コーナーからもコースはあったんだけど、8番(黒田淳)とからみそうになってバック踏んだからね」。巻き返し不発の阿部は「深谷が河端さんを出させるとは思わなかった。それでも打鐘過ぎの3コーナーで行ければ…。反省点が多いです」と、それぞれレースを振り返った。