主役を張る師弟コンビ
豊橋が誇る輪界最強の師弟コンビである金子貴志、深谷知広が人気を集める。この両者は当所記念では素晴らしい成績を残す。64周年は逃げた深谷を金子が差し切り、65周年は深谷が金子の猛追を凌いで逃げ切っていて、2年連続ワンツーを決めた。しかしながら、66周年は金子が準Vで逃げた深谷は5着に沈み、67周年は準決で共倒れに終わっている。今年はきっちり決めたいところだろう。最近の深谷は、調子に関しては何の問題もない。サマーナイトの準決は今節も参戦する浅井康太に差されたものの、逃げて平原康、原田研らを沈黙させている。主導権を握った時は圧倒的なパワーを発揮しているだけに、逆に先手が取れなかった時のもろさが目立つ。他の同型が激しく抵抗してきた時の対応がうまくできればVは見えてくる。金子は特に目立つ成績ではないものの、随所で自力も出していてデキは申し分ない。7月小松島記念の準決は先行して3着に粘ったし、サマーナイトの最終日は選抜戦ながらまくって2着に入っている。自力が健在となれば、深谷が先制なら逆転も可能だろう。
今年はまだ優勝がないのは不思議な感じもする浅井だが、高いレベルで成績をまとめている。輪界を代表するオールラウンダーだけに、師弟コンビのホームバンクとは言え援護役だけにはとどまらない。中部には他にも好脚がそろっている。父(健二・30期=引退)譲りのスピードに磨きがかかり、今年は2V、準V2回と成績アップの高橋和也、落車骨折の影響でまだ本調子ではないものの、地力ある吉田敏洋、逃げるとしぶとい松岡篤哉ら自力型が豊富。
ナショナル仕込みのスピードが武器の河端朋之にも魅力を感じる。高松宮記念杯の西日本一次予選では古性優の逃げをまくって勝っている。踏み出しの切れの鋭さには定評があるので、好機に仕掛けて先手が取れれば好勝負に持ち込める。
渡邉雄太はサマーナイトの最終日特選でどん尻からまくって2着以下を5車身千切った。これでポテンシャルの高さを証明すると、続く弥彦記念着では諸橋愛の地元Vに貢献。タイミング良く動くと一発怖い。南関勢では伊勢崎彰大も注目株だ。6月大垣G3で決勝進出、同月静岡ではVゲットなど、成績はうなぎ登りだし、自力を多用しているところも強調材料。今の脚勢なら目標が不在の時でも軽視できない。