• 平塚競輪場開設67周年記念湘南ダービー10/28〜10/31

後記 GⅢ 平塚 10/28

柴崎淳が冷静に立ち回る

柴崎淳

柴崎淳

決勝優勝写真

 赤板過ぎで5車が落車する大アクシデント。難を逃れた柴崎は、慌てることなく思考を切り替えた。車を引き笠松とドッキングすると、 「(三谷)竜生とスプリント戦みたいになって、追い出しをかけました」と冷静にレースをコントロール。最後は、4コーナーから踏み込んで激戦を制した。
 「(作戦は)4番手を狙おうと思っていて。郡司が無理にでも来たら入れようと思っていました。(落車で)人数が少なくなって、獲らなあかんという気持ちになりましたね。最後はギリギリまで待って。稲川さんが前を見て踏み込むタイミングと同時くらいに(仕掛けた)。(一回目の記念優勝が8番車で)ピンクはご縁がある」
 来年、地元で行われる全日本選抜に出場するため尽力したが、出場は厳しい状況に。しかし、この優勝で一筋の光明が差した。
 「(地元でG1が行われるのは)選手をやっている中で、最初で最後かもしれない。(9月松戸記念の)3日目から吹っ切れて、気持ちの整理がつきました。一戦、一戦が大事だと思って、気持ちを切らさずに走ろうと。(競走得点を一気に上げて)これで出場できたら、本当に持っていますね」
 これで、前回の豊橋F1に続き、2場所連続での優勝。気持ちの切り替えが風向きを変えた。まだまだ目標へ予断は許されないが、最後まで前を向いて戦い抜く。
 「自分の中では、まだまだ(状態を上げて)いけそうな気持ちがある。自転車に乗っていてもストレスがないし、気持ちよくレースができています。(選考期間内のレースは)あと、(11月の)別府と和歌山なので頑張ります」
 落車を避けて三谷の番手回りとなった稲川。絶好の展開が訪れたが、柴崎に屈して惜しくも準V。
 「(三谷)竜生も頭を切り替えて、ゴールまでしっかり駆けてくれました。最後の最後まで力を出し切って、どっちかが優勝できればよかったけど。残念と言うか、申しわけない気持ち。最後は脚力ですね」
 先行した三谷が3着。慎重に言葉を選びながら口を開いた。
 「何とも言えないですね。(落車後は)駆けた方がいいなと思って。でも、カカり切らなかった。カカり切っていれば、どちらかが優勝できたと思います」

Race Playback

レース経過

誘導員 : 柴田功一郎

 柴崎―坂口―笠松の中部勢が前受け。以下は郡司、阿竹、三谷―稲垣―稲川、新山で周回を重ねる。
 赤板ホーム入り口で三谷が上昇を始めると、合わせて郡司もダッシュ。ここでまさかの事態が発生する。軽く外に振る坂口と郡司が接触してともに落車。稲垣、阿竹、新山も次々に巻き込まれていった。大外に避けた稲川が1センターで内に降りて、柴崎のインを掬って三谷とドッキング、その後ろに柴崎―笠松と、打鐘前には4人だけのレースになってしまう。事態を把握した三谷はギリギリまで引き付けて最終ホームからスパート。一方、柴崎は落ち着いて仕掛けず、そのままの態勢で4コーナーへ。直線勝負に持ち込まれ、外を鋭く伸びてくる柴崎をけん制しながら稲川もタテに踏むが、柴崎が伸び勝った。

ページトップへ