• 佐世保競輪場開設67周年記念九十九島賞争奪戦12/14〜12/17

後記 GⅢ 佐世保 12/14

節目で念願の記念初V

山田久徳

山田久徳

 まくりで記念初Vを遂げた3山田選手が、大きなトロフィーを掲げ、笑顔でファンの声援に応える。

 迎えた仲間たちの手で宙に舞った山田が、照れくさそうに笑った。
 「記念優勝はS級に上がってからの目標だった。すごくうれしい」
 08年にデビューして10年の節目で、記念優勝をつかんだ。
 「中団を取れたらチャンスがあるかなと。ただ、青森記念とかでも成田さんにキツいブロックを受けていたんで、そこは注意してた」
 踏み遅れた準決の失敗だけはできない。神経を研ぎ澄まし4番手を確保。最終2角からまくった山田は成田を越えたが、椎木尾はからまれる。先頭に立った山田に、セーフティーリードが生まれた。
 「まくり切ってから後ろの気配がなかった。でも4コーナーで誰か詰めてきた気配があったんで、もう誰も来ないでくれって(笑)」
 強襲する井上を抑えてゴール。9月の落車で鎖骨骨折に見舞われ、復帰3場所目での優勝だった。
 「正直、優勝できるとは思ってなかった。ただ、しっかり自分のレースをしてたら、もしかしてっていうのはあった。それは(村上)博幸さんにも言われていた」
 デビュー3年目にG1初出場。徹底先行のスタイルで近畿地区に多大な貢献をしてきた山田も、今年で30歳。そのスタイルは徐々に変化を見せ、一介の先行選手とは違うオールラウンダーとしての道を歩みだしている。
 「古性(優)とかがポンポン(記念を)獲っていて、同じような戦法になってきた自分も負けられないっていうのがあった」
 近畿を支えてきた苦労人がつかんだ記念初V。表彰式から引き揚げて来た山田に、選手の誰もが祝福の声をかける。
 最後方の吉田がたまらずインを進出するが、井上は切り替えを我慢。北津留の仕掛けを待ってから踏み込むも、時すでに遅く4度目の地元記念Vはお預け。
 「(吉田)敏洋の後ろがあればアタマまであったかも…。でも、(北津留が)1回仕掛けるまで待った。直線が短かったです」
 「さすがに(単騎の自分の)1車プラスしておけば、(北津留)翼も行くだろうって思った俺が甘かった…」とは、吉田。九州勢の仕掛けに期待したものの、思惑が外れ苦笑い。最終ホームから内を追い上げて、そのまま近畿勢の上をまくったがあおりを受けて3着。

Race Playback

レース展開1

レース経過

誘導員 : 西田将士

 号砲で井上が出て、北津留―井上―園田の九州勢が前受け。以下は、坂本―成田―和田の北勢、山田―椎木尾の近畿勢、最後尾に単騎の吉田で周回。
 青板3角で山田が上昇。赤板で並ばれた北津留は下げ、正攻法の位置に山田となった上を2角で坂本が叩きに行く。打鐘で坂本が先手を奪う一方、山田もすんなり中団を確保し、北津留は6番手。反撃のないのを確認した坂本は最終ホーム手前からスパート。同時に、最後方にいた吉田が内を掬って近畿勢後位に切り替える。2角に入り、山田がまくる。山田は3角で坂本をとらえるが、椎木尾は成田に阻まれて続けず。後続はモツれ、山田がセーフティーリードを保ってゴールした。不発の北津留後位から2センターで内に降りて伸びた井上が2着に入る。

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