近畿勢と九州勢が激突
練習中の落車負傷などの影響で、今年はなかなか体調が整わなかった村上義弘。グランプリ出場は残念ながら7年連続でストップしたものの、ファンを魅了してやまない「魂の走り」は相変わらずだ。持ち味の攻撃的な競走に変化は見られないし、体調も徐々にではあるが上向いてきている。競輪祭の初日特選は逃げた脇本雄を差して勝ち星をゲットし、ダイヤモンドレースに駒を進めている。同郷の山田久徳と一緒なら前を任せるだろうが、先頭で戦っても優勝は十分に狙えるだけに、ここはシリーズリーダーを務める。椎木尾拓哉が村上をガードする。今年の椎木尾はステージを上げていて、6つの特別競輪すべてに出場を果たした。しかも親王牌では着と特別競輪初の決勝進出を決めると、競輪祭も着とまとめている。今の充実ぶりなら村上の援護役だけにはとどまらない。
今シリーズで最大の勢力を誇るのは九州勢だ。井上昌己、中川誠一郎、園田匠、北津留翼ら実力を備えた個性派がズラリとそろっている。今年の優勝はF1戦で1回の井上だが、特別競輪では存在感を示している。高松宮記念杯で約2年ぶりの特別競輪優参を果たすと、親王牌は着と3連対、競輪祭では着と2勝を挙げた。当所記念は61、64、65周年と3回制していて、4回目の地元記念Vを目指す。中川は鎖骨骨折の後遺症が長く続いたが、10月熊本記念in久留米着あたりから本来のスピードが甦ってきた。競輪祭の初日特選では新田祐のまくりを楽々差している。好発進を決めれば単も望める。園田、北津留の小倉両者は競輪祭では明暗を分けた。園田は繰り上がりで二予に進むも4着と敗退したのに対し、北津留は準決を快速まくりで快勝すると、決勝はまくり上げて準V。今節も優勝争いを賑わす。
木暮安由、吉田拓矢の関東コンビも好勝負が見込める。木暮は競輪祭では鋭い動きを披露。古性優らを破った二予の走りはまさに真骨頂で、着と昨年オールスター以来となるG1優参を果たした。吉田は準決5着で優参は逃がすも、新田を相手に果敢に逃げた脚勢は悪くなかった。先行力なら今節で一二を争うだけに、木暮に好展開が巡る可能性もありそうだ。
岩本俊介、根田空史の千葉コンビも軽視できない。岩本は11月松戸ではやや軽いメンバーながら完全Vを飾っているし、根田は競輪祭では連がらみこそ無かったものの、連日主導権を握った動きは悪くなかった。好機に仕掛けて台風の目と化すか。
本来の力強さが戻ってきた吉田敏洋も侮れない。親王牌で決勝に進出すると、競輪祭では着と2勝をマーク。好位確保から自力を出せると一発怖い。今年は特別競輪の決勝で2回確定板入りしたレース巧者の成田和也の出方にも要注意。