• 松阪競輪場開設67周年記念蒲生氏郷杯王座競輪1/25〜1/28

後記 GⅢ 松阪 01/25

稲川翔が華麗なV差し

稲川翔

稲川翔

 村上選手を目標にして、通算2度目の記念制覇を飾った稲川選手を近畿の仲間たちが胴上げで祝福する。

 南関勢がつくり出したすさまじいペースに、絶好位の4番手を確保したはずの村上も苦戦。車間がなかなか詰まらなかったが、稲川の信頼が揺らぐことはなかった。
 「村上さんに付かせてもらう時は、毎回勉強の気持ちです。村上さんが、絶対にチャンスのある走りをしてくれると思っていた」
 前団を射程圏に入れた村上を突き放すように、今度は根田が番手まくり。それでも執念で根田、岡村に取りついた村上のチャンスメイクで、稲川にVロードが開けた。
 「万全ではないなかで決勝に乗れたし、もう失うものがない。ゴールまで力を残さないように」
 昨年12月の向日町準決で落車に見舞われ、途中欠場を余儀なくされ昨シーズンを終えた。18年初場所の地元、岸和田の決勝でも落車。アクシデント続きのなか、村上とのタッグで記念Vをつかんだ。
 「年末、年始で落車をして、まさか自分が優勝できるとは思ってなかった。結果がついてきてくれてホッとしてますし、村上さんとの連係で優勝できたのはうれしい」
 一昨年の川崎以来、通算2度目の記念制覇。14年、高松宮記念杯で初戴冠を成し遂げた時と同じように、優勝を重ねても稲川の慎ましやかなさまは変わらない。
 「まずは近畿でしっかり自分のできることをですね。そこから」
 山中が持ち前のスピードを生かして、一気に主導権を奪取。続いた根田が番手まくりを放ち、岡村が抜かりなく追走。稲川の差し脚に屈した岡村は、準Vに唇をかむ。
 「(後続に)一気には来られないと思っていたんですけど。山中君もあんだけ行ってくれたのに、(優勝できなくて)申し訳ない…」
 根田は山中のスピードが鈍ると、車間を詰める勢いで番手発進。そのまま押し切るかに思われたが、直線半ばで失速して3着に沈んだ。
 「タイミング的には良かったけど、自分の脚が足りなかった…」
 地元の坂口は高橋に乗って、直線で中を猛襲するも前が遠かった。
 「山中さんと根田君の2段駆けで、スピードが完全に上がりきっていた。もう前が掛かりすぎてた」
 ハイペースにてこずった村上は、稲川のVをたたえて振り返る。
 「先輩らしいことはなにもできなかったけど、(稲川が)力で獲ってくれた」

Race Playback

レース展開1
ゴールシーン

レース経過

誘導員 : 柴崎淳

 号砲で小倉が飛び出して、最内枠を生かした坂口がその後ろをキープ。早坂―小倉―高橋―坂口―村上―稲川―山中―根田―岡村の並びで周回を重ねる。 赤板前からしきりに後ろを警戒した村上がホームから先に動くと、その上を打鐘前2コーナーから山中が一気に叩く。村上は狙いどおりの4番手を確保したが、ハイペースで駆ける山中の前に6番手の高橋や8番手の早坂は口が空いてしまう。車間を切って後続の巻き返しに備えた根田は2コーナーから番手まくり。車間を詰めた村上は2センターから外に持ち出すが伸び切れない。4コーナーを番手で回ってきた岡村が展開有利に根田をとらえたが、村上のスピードをもらった稲川がその外を強襲。2016年4月川崎以来、通算2度目の記念優勝を飾った。

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