中川誠が5度目の記念V
初日にバンクレコードを更新。そして、節目の400勝を記念Vで達成。次々と生み出す記録に周囲は驚かされた。「最高の開催でした」。主役を演じた中川は満面の笑みで優勝を喜んだ。
「(記念Vは昨年の1月和歌山)あれ以来ですね。やっと戻ってきた感じがします。(自力で勝ったが)気持ちは追い込みなので。それは変わらない。バンクと自分の状態を見て、決勝は自分でやった方がいいと思っただけです。(400勝を達成して)早く荒井(崇博)さんに追いつきたいですね」
初手で6番手の中川は、ジッと戦況が動くのを待った。「自分で切るよりも、単騎に押さえさせて、もつれさせた方が良いと思って」。狙い通り、最後方にいた竹内が打鐘過ぎでハナに立つと、その竹内後位を小松崎と武田で取り合う。チャンスが巡ってきた中川は南を警戒しながら、最終2コーナーで踏み上げる。抜群のスピードで前団を飲み込むと、最後は後続の追撃も許さずメモリアルを決めた。
「ベストな展開でした。あとは、南君がホームから来るようなら行かせたけど、2コーナーなら自分で行った方が良いと思って。最後は抜かれるかと思っていたんですけど、意外と耐えられましたね」
1年半ぶりに手にした記念の優勝。九州をけん引するスピードスターに自信が戻った。勢いそのままに、後半戦も突き進む。
山田が中川の仕掛けに続き、九州ワンツーを決めた。
「中川さんが良いところで仕掛けてくれました。もしかしたら、こういう展開になるかもって。出脚で口が空きかけたし、4コーナーからは中川さんの踏み直しもあった。人の後ろでこんなにキツイことはないですよ」
初手から九州勢を追走した南が3着。見せ場を作れず、レース後は反省に終始した。
「竹内さんより先に動くべきでした。中川さんよりも前から仕掛けて。その上をまくられたなら、仕方ないって思うけど…」
竹内は単騎で先行したが、中川にまくられて4着。
「動く気配がなかったし、1回前に出てから周りの動きを見ようと思って。ただのむちゃ駆けになってしまいました。お客さんに申し訳なかったです」