地元関東勢がV戦線リード
最強のオールラウンダー・平原康多がシリーズをリードする。3月名古屋記念の落車で一頓挫あったが、続くウィナーズカップを着。「決勝までに修正できたけど、3日目まで自転車と体がマッチングしてなかった」と話すが、高い修正能力で決勝は武田豊樹とワンツーを決めた。さらに、近況は怪我も癒えて状態上向き。5月京王閣記念は関東の結束力を見せ付ける完全V。全プロ記念でも、SPR賞を吉澤純の番手から見事に制覇。再び軌道に乗り出している。当所でも上手さと強さでライバルを圧倒する。ウィナーズカップを制した武田は、あっ旋をしない処置でダービーを不参加。1カ月間を練習に充てた。「体力トレーニング、持久トレーニングに重点を置いてやった。(内容が)合っているか間違っているかは、これから結果が出る」。久しぶりのレースとなった函館記念は着も、高松宮記念杯、そして当所で成果が出てくるはずだ。盟友の平原の番手から、再び好機をつかむ。輪界のレジェンド神山雄一郎や神山拓弥、長島大介ら現状で考えられる最高の面子をそろえた地元勢も、地の利を生かした走りで勝ち上がりVを狙う。
対抗するのは古性優作だ。今や近畿を背負う機動型にまで成長を遂げている。全日本では2度目のG1優出に成功。続く静岡記念は平原を撃破してVと、S班にも引けを取らない。全プロ記念でもSPR賞に勝ち上がり、変わらぬ俊敏な動きを見せた。当所でも縦横無尽に暴れ回る。南潤にも注目だ。初の記念参戦となった地元・和歌山記念でいきなり優出。さらに、4月函館G3は、後位のもつれを尻目に堂々の逃げ切り。デビュー後、最速のG3優勝記録を更新と、ファンの注目を一気に集めた。他にも椎木尾拓哉、川村晃司と近畿は戦力が充実している。
中川誠一郎も怖い。追い込みに転身を図るが、目標不在なら迷わず自分で動いている。5月名古屋記念の決勝では、単騎でまくって準V。全プロ記念の2走目でもまくり追い込みで白星と、まだまだ自慢のスピードは健在だ。さらに、今シリーズは松川高大の番手を回れるようならチャンスが拡大する。
竹内雄作は、6月函館で今年初の記念優出。準決は木暮安、郡司浩を完封する逃げ切り。復活を予感させる先行策を見せてくれた。坂口晃輔、笠松信幸らを引き連れて上位独占を狙う。
S班・桑原大志は、ダービー後の度重なるトラブルで全プロ記念は着。しかし、直前に宮杯があるだけに、状態を上げてくるだろう。松浦悠士は、函館記念の最終日に三谷竜―村上義を撃破。「状態は良い」と心技体が整っている。持ち前の変幻自在な走りで強敵撃破も十分。
岩本俊介、根田空史の千葉勢や、早坂秀悟、小松崎大地の機動型を擁する北日本勢も虎視眈々と逆転を目論む。