• 松戸競輪場開設68周年記念燦燦ダイヤモンドカップ争奪戦8/2〜8/5

後記 GⅢ 松戸 08/02

最後方からの大まくりでV

中川誠一郎

中川誠一郎

 最後方から異次元のスピードで別線を一蹴した中川誠一郎選手。通算6度目のG3制覇に笑顔を見せた。

 松戸バンクで、中川の豪脚が唸りを上げた。通算6度目のG3制覇は、中川らしい豪快なまくりだった。
 単騎の中川は、初手は前受けの太田ラインに付ける。太田は青板周回で上昇してきた吉田を突っ張って出させない。これで中川は3番手内で包まれる苦しい形になった。
 「(3番手は)かぶるところなんで嫌だった。とりあえず内を締めながら吉田が入ってこない様に」
 もう一度踏み上げた吉田が主導権を奪うと、すかさず石塚が反撃に出てペースは上がる。最後方となった中川は最終ホームからまくっていくが、浮いた石塚の様子をうかがいトップのギアは残したまま。石塚と、村田の間を抜けたあとが中川の真骨頂。他の選手が止まって見える次元の違うスピードを披露した。
 「(ホームから)踏んだんですけど、石塚の外は絶対行きたくないと思って、ゆっくり抜けようと思った。抜け切ってからは全開で踏めました」
 吉田の番手の中村がまったく反応できず、楽にゴールを駆け抜けた。その中川の視線は、すでにこの先を見据えている。
 「今回はオーバーワークでした。初日、2日目は(疲れが)抜けきっていなかった。決勝はよかったですね。新田(祐大)や、ワッキー(脇本雄太) 、深谷(知広)とか、あの辺はすごい。そこに負けないくらいにしたい。前回(7月福井記念の決勝で)ワッキーに付いて、トップの脚力を感じた。あれで目標が定まった。(G1を)獲りたいですね」
 地元記念Vを狙った中村だが、中川のスピードに屈して2着。
 「吉田君は全力を尽くしてくれた。(ラインの)3人で出し切れましたね。(中川のまくりは)もうどうしようもなかった」
 最終2センターから狭いコースを縫った村田が3着に入った。
 「伊勢崎さんのところは空かなかったし、イチかバチかあのコースへ行きました。1着を狙っていたんですけど、3着狙いだったら(確定板も)ダメだったと思う」
 一度は太田に突っ張られた吉田だったが、主導権を奪って石塚も不発に沈めた。4着でも太田、石塚との若手対決は制した内容は価値がある。
 「とりあえず出ないと意味がないんで。地元の中村さんのためにも。(石塚は)絶対に来ると思ったけど、あそこは負けられないですね。やることはやったんで」

Race Playback

レース展開1

レース経過

誘導員 : 坂西佑介

 号砲でゆっくりと出た桑原がスタートを取り、目標の太田を迎え入れる。隊列は太田-桑原、中川、吉田-中村-伊勢崎、石塚-松岡-村田の順で落ち着き、周回を重ねる。 残り3周の青板前から動いた石塚に合わせて吉田が中団から踏み上げるが、前受けの太田がこれを突っ張る。ひるんだ吉田だが、赤板から再び仕掛けて太田を叩き切る。打鐘から反撃に出た石塚は吉田に合わされて後退。一方、最後方でためていた中川は4コーナーから仕掛ける。ジワジワと前団に迫った中川はバックからさらに加速。懸命に逃げる吉田を一気に抜き去って圧勝した。吉田の先行を利した地元の中村が2着。近畿ラインの3番手を回った村田がしぶとく3着に突っ込んだ。

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