NEWヒーローが誕生
快進撃を続ける山崎賢が、無類の強さで記念初制覇を果たした。S級に特進したのは、今年1月。G1戦初出場の8月オールスターで、いきなり決勝にコマを進めると、続く9月共同通信社杯では着。一気に注目を集めた新鋭が、5度目の記念参戦でしっかり期待に応えた。
「今年の目標が、記念をひとつ獲るっていうのだったんで良かったです。前検日は、優勝できたらいいなってくらいで。調子は悪くなかったんですけど、最高っていう感じでもなかったので」
それでも連日、力の違いを見せつけて3連勝で優出。単騎となった決勝は、4番手外併走から2角まくりで快勝した。
「前を取って引くっていう単純なレースしかしてなかったので、粘るレースも見せておきたいっていうのがあった。キツかったですけど、あそこの位置なら行けるかなって感じだったので。踏んだ瞬間に、出たって思いましたね」
デビューからわずか1年4カ月。まだまだ成長途中の山崎賢にとって、この優勝は通過点に過ぎない。
「連日、ラインで決まってないのと、仕掛けが遅いので、そういう隙をなくしていかないといけないですね。結果はうれしいですけど、内容が付いてきてないので。競輪祭に向けて勢いはついたと思うので、ラインで決まるように、決勝にしっかり乗って、自分の役割を果たしたいです」
地元地区で行われる競輪祭でも、山崎旋風を巻き起こす。
即席で吉澤に付けた松谷は、山崎賢を止めることはできなかった。
「吉澤君は他地区なのに、あんなに行ってくれた。山崎(賢)君は1回止まったと思ったのに、そこからまたすごい伸びてきました。本当に強かった」
勝負どころで内に包まれた山中は、3着に入るのが精いっぱい。
「情けないです。最後はコースがあって、3(着)まではいけたんですけど、和田さんと優勝を争うようなレースができなかった」
地元記念連覇は叶わなかった吉澤だが、しっかり見せ場を作った。
「1回先頭に立って、誰か来るかなって思ってたんですけどね。自分の距離になったんで、もう行きました。力を出し切った結果なんで納得してます」