• 佐世保競輪場開設68周年記念九十九島賞争奪戦12/21〜12/24

後記 GⅢ 佐世保 12/21

7年ぶりの美酒

五十嵐力

五十嵐力

 五十嵐選手が、激戦を制して約7年ぶりにG3を制覇。表彰式では、ガッツポーズで記念撮影に応えた。

 15年8月富山記念の決勝では、先行の番手から最終2センターでまさかの落車。しかし、今度は巡ってきた好機を逃さなかった。別線の状況を確認した五十嵐は新山の番手から直線で追い込む。後ろから迫る山田をタイヤ差で制し、約7年ぶりの記念優勝を手にした。
 「新山がすごく掛かっていましたね。もう誰も来れないと思ったけど、(山田)久徳が横まで来て良いスピードだったのでどうかなと。(15年富山記念の決勝は)2センターで、前にハスって落車してしまって。それが無ければ優勝だった。記念の決勝でこんな良い展開はない。勝てて嬉しいです」
 近年は戦法をチェンジ。決勝では新山の番手をS班の諸橋に譲らず決意を示した。
 「(競輪は)イメージがデカいので、そういうのもやっていかないと。ただ、(周りのイメージを)払拭するのは、(強い)メンタルが必要ですけどね」
 輪界のスピード化を肌で感じながら、今後も追い込みとしての地位を確立してゆく。
 「時代は変わったと感じますね。今は先行選手が強くなっている。自分はまだ脚質に両が付いているので、今後は(追に)変えたい。そして、南関地区の追い込み選手として上にいきたいです」
 ライン戦が主流の競輪である限り、追い込み型の存在は欠かせない。戦い方を変えた五十嵐を加え、南関地区の層はさらに厚くなった。
 山田は、あと一歩及ばず2着まで。当大会の連覇はならず。
 「あの並びになったので、あとは古性が粘るか中団かなって思っていました。あんなに新山がダッシュ良く行くとは思わなかった。最後は古性が踏んでから踏もうと思って。見てから踏んだ割には伸びました。やったほうでしょ」
 積極策で優勝を狙った新山は、ゴール前で踏ん張り切れず3着。
 「一瞬、優勝するかなって思った。考えた通りになったけど、末が足りなかったです。今シリーズは練習不足で臨んだけど、今後は練習していけば大丈夫かな」
 バックから仕掛けた井上は、まくり切れずシンガリ負け。
 「まさかの後ろ攻め。最後が9着っていうのもね…。残念です。(来年は)もうちょっと自転車よりも体を煮詰めて」

Race Playback

レース展開1

レース経過

誘導員 : 西田将士

 ゆっくりとしたスタートから誘導員を追った近畿勢に新山が追い上げると、古性が車を下げ、周回は新山-五十嵐-古性-山田-柏野-諸橋-井上-坂本-園田の並び。 青板バックから動いた井上は抵抗する新山を制してホーム手前で誘導員を下ろす。1コーナーで古性が切ると、そこをすかさず新山が仕掛けて打鐘から主導権を奪う。7番手になってしまった井上はバックから巻き返すが諸橋のけん制もあり不発。打鐘で空いた車間を詰めた3番手の古性は直線勝負に出たが、後ろをけん制しながら五十嵐も番手から踏み込む。古性は伸び切れず、その外を迫った山田も2着まで。新山の番手で絶好になった五十嵐が、平成23年8月富山以来、通算3度目の記念優勝を飾った。

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