太田竜が記念初V
若手の頂上決戦を制してから約1カ月。その勢いは、さらに加速した。九州の超新星・山崎、S班の平原らを俊敏な走りで粉砕。太田が、デビューから約2年半で記念初Vを手にした。
「記念は遠い存在だったし、獲れるっていう確証もなかったです。あんなに長い最後の半周はない。高松はデビュー戦で優勝した場所。早いようで長かった2年半です」
今年に入ってから、太田のレースはあきらかに変わった。1月武雄、続く別府を積極的な走りで連覇。そして、今シリーズも二次予選で竹内雄を完封して逃げ切るなど、抜群の動きを披露。持ち前のセンスに自信の後押し。そして、肉体改造にも成功して、一層強気な走りを見せている。
「今はその場、その場の感性で走ってます。(YGPを制覇して)迷いがなくなりましたね。(筋力も付いてきて)あきらかにパワーアップした感覚もある。できることが増えて、(戦法の)幅も広がっていると思います」
今後も肩肘張らずに自然体で中四国勢を盛り立てる。
「(中四国勢に)流れが来ているし、良い雰囲気。今後もチーム中四国で。そして、自分が引っ張って活気づけていきたい」
鈴木は出切れず不発に終わる。平原は3コーナーから自力に転じたが、時すでに遅し。2着が精いっぱいだった。
「苦しくてキツかったです。ノブ(鈴木庸之)もけっこういいタイミングで行ったと思ったんですけどね。太田君が強かった。前がダメになった時の判断はやっぱり難しい」
インまくりの太田を追えずに連結を外してしまった小川だが、しぶとく追い込んで3着に入った。
「連結を外さないようにと思っていたけど、外してしまいましたね。(太田が)内を行った時に付いていこうと思ったら閉まってしまって…。あれを付いていったらアウトだと思った。太田のおかげで3着に入れたし、太田の優勝でよかったです」
裸逃げとなった山崎は孤軍奮闘したが、力及ばず5着。
「(内を)空けないようにって思っていたんですけどね。限界でした。ただ、決勝も良かったし、段々良くなってきているかな」