• 玉野競輪場開設68周年記念瀬戸の王子杯争奪戦2/28〜3/3

後記 GⅢ 玉野 02/28

長かった6年間

阿竹智史

阿竹智史

 絶好の展開をモノにした阿竹智史選手が、2度目の記念Vを達成。トロフィーを掲げて記念撮影に応じた。

 「弱っていた時も師匠(小倉竜二)には世話になった。ケガもあったけど、これで吹っ切れました」
 昨年は、レースで計6回の落車。今シリーズも、初日特選で落車のアクシデントに見舞われたが、これまで何度も這い上がってきた阿竹は、それをモノともしない走りで優勝をつかみ取った。
 「すべて太田と、後ろを固めてくれた北村のお陰です。太田は、しっかり先手を取ってくれた。それが、一番大きいですね」
 太田が赤板から一気に仕掛けて主導権を握ると、阿竹は徐々に車間を空けて太田を援護。まくってきた松浦を完ぺきに合わせ切ると、直線で鋭く抜け出して、力強く右の拳を突き上げた。
 「豊橋(記念の優勝)から6年もかかったんで、ガッツポーズが出ました。(優勝を確信したのは)ゴール線ですね。柏野さんも見えていたんで、合わせて踏みました。4コーナーを回って、最後は必死でした」
 寬仁親王牌で鎖骨を骨折し、118日間の欠場を経て2月大垣F1で復帰。続く西武園F1と、連続で準Vの成績を残し今開催を迎えた。
 「まさか、復帰3場所目で記念を獲れるとは思わなかったです。感覚が走るごとによくなって、脚よりもレース勘やなと思っていました。うれしいです」
 今回が通算2度目の記念制覇。「次はG1の決勝に乗りたい」。若手、ベテラン共に勢いがある徳島勢の一員として、次の目標に向かって突き進んで行く。
 松浦が不発と見るや、冷静にコースを探した柏野が2着。連日、気持ちの入ったレースで地元記念を盛り上げた。
 「中四国のみんなで力勝負して、レースとしては面白かったと思います。(松浦は)しっかり仕掛けてくれて、気持ちも伝わりました。最後は伸びる感じがありました。北村君が外に行けば中だし、中なら自分は外だと思っていた。早く決めてほしいなって思ってました」
 北村は、初めての記念決勝で確定板入りを果たした。
 「太田君のお陰です。阿竹さんが番手で車間を切ってる感じだったんで、どうしようかなと。外を踏んだら、やっぱり(柏野が)来ますよね。最後は経験不足でした。でも、3着に入れてうれしいです」

Race Playback

レース展開1

レース経過

誘導員 : 黒田淳

 号砲で、大外の野田が勢い良く出て前受け態勢。これに、松浦―柏野―西岡の中国勢が続き、中団に芦澤―志村の関東勢、太田―阿竹―北村の徳島トリオが後攻めとなって周回。 赤板周回に入り、松浦が前との車間を切ってけん制する中、太田は1コーナーからダッシュ。これを見て松浦も踏み出すが、2コーナーで松浦を一気に叩いて太田が主導権を握る。松浦は徳島勢を出して中団を確保し、野田や関東勢は後方に。レースは完全に太田が支配し、最終2コーナーから松浦がまくるが、車間を切って備えた阿竹に合わされて不発。阿竹はそのまま2センターから踏み出すと、後続の追撃を振り切ってV。徳島勢後位に切り替えた柏野が、阿竹と北村の中を割って迫るが及ばなかった。

ページトップへ