山中貴雄が地元で記念初制覇
今期の競走得点は103点台。記念決勝は2度目の山中貴雄が地元で大仕事をやってのけた。鮮やかな直線強襲劇。ゴール後は右拳を高々と突き上げた。
「2日目、3日目は我慢したんで、思いっきり右手を上げました。地元はやっぱりすごいですね。本当によかったです。言葉にならないです」
同期の田中晴基に前を託したことが功を奏した。中団確保から田中が仕掛けたことで、チャンスが生まれた。
「(田中)晴基が頑張ってくれました。レースはもうところどころしか覚えてないです。ゴチャゴチャになって、諸橋さんのところ空け、空けって思ってました」
直前の玉野F1では予選で敗退したが、今シリーズは厳しい展開をしのいでの勝ち上がり。実力は本物だろう。
「連日、そんなにいい展開じゃなかったし、二次予選も準決勝も疲れるくらい緊張しました。テンションを上げて、最後まで集中して走れたと思います。優勝できたのは本当に自信になります」
これで一躍、注目を集める存在になった。今月末には松戸の日本選手権が控えている。初めてのG1出場だ。
「G1はまだ走ったことがなくて、ダービーが初めてなんです。この優勝がマグレと言われないように、そこでもしっかり頑張ります」
G3ウィナーの称号を手に入れた山中が勢いに乗る中四国勢をさらに盛り上げる。
村上博幸が最終バック最後方から2着に突っ込んだ。
「吉田君に任せて、最後はいい感じで突っ込めたんですけどね。正直、自分の優勝だと思ったんですけど内に(山中が)いました。地元の力はすごいなって感じました。今回はあんまりよくなかったんですが、こうやって着はまとめることができた。ダービーまで考えて練習して、上げていきたいと思います」
1度は競り負けた諸橋愛だが、内から清水裕友をすくって3着に食い込んだ。
「競り負けましたね。ホームでちょうどそのタイミングの時に前に駆けられてしまった。遅れてしまったけど、まだ脚は残っていたんで。着はよくてもダメですね。残念です」
後方8番手からまくり上げた吉田敏洋は4着に入るのが精いっぱいだった。
「ああなったら一発ためてまくれるかどうか。2センターで止まってしまった。このバンクの特性ですね。今開催は若い子を相手に自力を出せて、ダービーに向けても感触をつかめました」
チャンスをモノにできなかった清水裕友はガックリ肩を落とした。
「番手を取り切って諸橋さんとの勝負は終わったと思ってしまった。(ラインの)2人に申しわけないですね。田中さんが止まったんで、(取鳥)雄吾を残せるかなって。外を見た時に諸橋さんに来られてしまった。判断ミスですね」
後ろが競りとなった取鳥雄吾だが、先行勝負で力は出し切った。
「(清水)裕友があれだけしてくれたのに、申しわけない気持ちです。もう少し自分のかかりがよければ、諸橋さんも内から来れなかったかもしれない。力不足です」