新山響平は2度目の記念制覇も函館
4日制の記念では、デビュー最速となる1年20日での優勝を飾った同じ函館のバンクで、新山響平が2度目の記念Vを遂げた。
「まくりですけど、本当にうれしい。獲れて良かった」
単騎の南修二、目標のない諸橋愛がいたが、実質的には南関勢との2分戦。渡邉雄太の上昇に、新山はちゅうちょせずに7番手まで下げ、反撃の機をうかがった。
「(別線が来るのが)遅かったら突っ張るし、早かったら引いてカマシと思ってた。結構、緩むところがなかったんで、すぐに引けるかなっていうのがあった。ジャンで1回カマそうとしたけど、ペースが上がってた」
赤板の2角で車間を切った新山だったが、渡邉がペースを上げて逃げると腹をくくってまくりに構えた。
「自分が行こうと思ったら、南さんが(仕掛けて)行くモーションだった。だから、そこを目がけて行った」
最終ホームで目の前の南が踏み込む。小埜正義も番手から出るが、抜群の加速を見せた新山のスピードが鈍ることはなかった。
「連日、あれで抜かれているので、緩めないようにした。ダービー明けからBですけど、(ナショナルチームの練習を)一緒にやらせてもらっている。それで明らかに踏み出しが良くなっている」
初めての記念制覇から3年。その間も北日本をけん引し、多くの優勝者をラインから輩出した。
「まずは(競技と競輪の)両立ですね。(競輪は)自分は先行でやっていかないきゃと思っている。自分が勝てない時は、後ろの人がっていうのはある。後ろの人が助けてくれて、持ちつ持たれつですよ。北日本の自力でやっている先輩方をお手本にしてやってきます」
5月からトレーニング環境を変えて、世界に羽ばたこうとしている新山には2度目の記念Vが励みになろう。
新山マークの守澤太志が、意地で後位をキープ。最終3角では諸橋に絡まれながらも、激しい2着争いに勝った。
「自分はあの展開で2着を死守できたんで良かった。新山が一番、楽そうでしたからね。もう(新山の踏み出しに)絶対、遅れないようにしようと。それに地元地区っていうので、自分も気持ちが入っていた」
近畿でただひとり優出した南修二は、6番手から最終ホームで踏み込む。新山には屈したが、番手まくりの小埜をねじ伏せ、諸橋との直線でのつばぜり合いにも踏み勝った。
「なにも考えてないって言ったら語弊があるけど、緩んでても緩んでなくても行くとこで行かないとって思ってた。それが自分のなかであそこでした。あれで勝ってたらいいんですけど、勝ててないので力不足です」