太田竜馬が復活の記念制覇
「まさかの優勝です」
2月高松で記念初Vを飾り、7月小松島では地元記念初制覇を果たした太田竜馬だが、その後は成績が一転。オールスターで落車失格や、8月伊東F1でも優出を逃すなど苦しい時間が続いた。しかし、今回は文句なしの完封勝利。打鐘手前から一気にスパートすると、そのまま力強く後続を振り切った。
「誰も動かなかったので、もう行ったれって感じで仕掛けました。体が勝手に反応しましたね。あそこで行けば桑原(大志)さんと自分の、どっちかが優勝できるかなって思いました」
持ち前のスピードを存分に発揮した圧巻のレース。3番手を確保した小松崎大地や、S班の浅井康太にも反撃を許さなかった。
「絶対まくられると思いました。最後も余力は残ってなかったです。ずっと踏みっぱなしだったんで」
自分自身でも驚きのタイミングでつかんだ、今年3度目の記念制覇。もう一度、気合いを入れ直し、次は寛仁親王牌に出走する。
「これで、グレードレースで戦える第一段階。もっと勝ち切れるようにならんと。(勝つか負けるかは)噛み合うか噛み合わないかの問題ですけど、今のままではG1で優勝できないです。まだまだ全体的に伸ばしていって、スケールが大きいレースがしたい。(1着を)狙って取って、みんなにも認めれもらえるようなレースをしたいです」
太田の巻き返しがここから始まった。
準決勝に引き続き、太田に食い下がった桑原大志が2着をキープした。
「(太田が)すごい強かった。(前受けから引いて)中団で粘るのかなって思ったら全部引いて、構えるのかなって思った瞬間に、ここで行くのかって感じでしたね。あの踏み出しで、ほぼ脚を使い切りました。(太田が)3コーナーから踏み直してたから、まだ残っているのかって。もう2センターで自分は任務完了って感じですね。何とか続けて良かったです」
地元の志智俊夫は、浅井に勢いをもらって3着に入った。
「届かんかったね。脚が止まった感じになりました。今回はまず決勝にって気持ちで走って、乗れたのであとは取るぞって自分に言い聞かせながらでした。金子(貴志)が番手を回してくれたし、取りたかった。また来年取りに来ます」
絶好の3番手を確保した小松崎大地だったが、仕掛けることができず4着に終わった。
「想定通りではなかったんですけど、理想通りの形になったのに、確定板にも乗れないっていう…。脚力不足ですね。すぐに結果として形に出せるタイプではないので、一段、一段上がっていかないと」
最終ホームで佐々木雄一をキメて4番手に入った南修二だったが、直線では伸びを欠いて6着でゴールした。
「やりたいレースではないんですけど、力勝負では負けるので。タテ脚で戦えるように、また力を付けて行こうかなと思います」
7番手で脚を溜めた浅井康太は、最終2コーナー過ぎからまくり出すが、4コーナーで小松崎とからんで7着に敗れた。
「1回目に行こうとしたところを見て、2回目のところで仕掛けたから、1回目のところで仕掛けていれば、自分が(優勝を)獲れたかもしれないですね。でも、やっぱり後ろが志智さんだし、金子さんも付いてくれてるし、ラインのことを考えると。調子も戻ってきているし、スピードも出ているので、もうちょっとですね」