本線は浅井康が軸の中部
中部地区の記念開催とあって今シリーズの中部勢は層が厚い。S班の浅井康太をはじめ竹内雄作、志智俊夫の地元勢、更に金子貴志と錚々たるメンバーだ。大将格はもちろんS班を張る浅井。ここのところ動き今一つの印象がある浅井だが、8月富山記念着の動きは調子上向きを感じさせるものだった。修正能力の高さには定評があるので、更に調子に上積みしての参戦が見込める。現在のところ(9月7日)獲得賞金ランキングは第17位にとどまっているだけに、9年連続のグランプリ出場に向けてそろそろエンジン全開といきたい。竹内は体調が気になる。高松宮記念杯では一次予選、白虎賞を連勝するなど力強い走りを披露していたが、練習中に落車して鎖骨を骨折。約2カ月欠場して9月伊東から復帰し着、やや末脚が甘かった。ただ、1場所走り競走の感覚はつかめたはず。無念の欠場となった7月大垣記念の分もここにぶつけたい。
S班の自力型に引けを取らない機動力がある太田竜馬。今年は2月高松記念、7月小松島記念を含み5Vを達成していて、持ち味の自力攻撃には一段と磨きがかかった。8月伊東着は動きが重かったが、続く9月青森記念の二次予選Aでは好タイムで逃げ切っており、軌道修正に成功。タイミングよく仕掛けて主導権を握れば押し切りも。
今年はまだビッグレースでの優参がない山田英明。しかしながら、7月大垣記念の初日特選では平原康、浅井、古性優らの錚々たるメンバーをまくりで撃破したように底力はかなりのもの。機敏な立ち回りから好位を占めてのまくり、差しに持ち込めれば首位に躍り出ても不思議ではない。山崎賢人との連係が叶うようなら展開の利を得られる可能性もある。その山崎は8月武雄着など、主導権を握ってもやや末脚を欠く場面が目に付く。全日本選抜の最終日特選では、原田研の逃げをまくった山崎を山田が差してワンツーの実績があるだけに、山崎に調子の上積みがあるようなら再現も。
もう一人のS班である武田豊樹は、度重なる落車が尾を引き、なかなか調子が上がってこない。9月青森記念着の動きも本調子には程遠かった。同県の鈴木竜士との連係が叶えば好展開が巡ってくる可能性はあるが、チャンスをきっちりものにできる状態とは思えない。
根田空史、岩本俊介の千葉同期コンビも侮れない。両者ともにトップスピードの高さには素晴らしいものがある。根田は8月小田原記念の決勝では、積極果敢に逃げて郡司浩の地元Vに大きく貢献しているし、岩本は9月青森記念のブロックセブンを勝っている。好連係を決めて台風の目と化すか。
山本伸一、南修二の近畿勢も忘れてはならない。最近の山本は好調で、9月青森記念の二次予選Aでは渡邉一を相手に逃げ切っている。レース巧者・南の援護を得て主導権を握れば好勝負に持ち込める。