• 武雄競輪場開設70周年記念大楠賞争奪戦4/23〜4/26

後記 GⅢ 武雄 04/23

松浦悠がコマ切れ戦を制す

松浦悠士

松浦悠士

決勝優勝写真
決勝優勝写真

 さすがの安定感で勝ち上がった松浦悠士と、抜群に仕上がっていた郡司浩平のS班対決を制したのは松浦だった。二次予選Aからは自力戦で3連勝。前回のウィナーズカップに続く、今年4V目を飾った。
 「野原(雅也)君が前々に踏んで行くと思ったので、まずは野原君より後ろからって思っていたけど、(赤板手前で)深谷さんが付いていく感じではなかったので切り替えました」
 近畿コンビに乗って3番手で打鐘を迎えたが、山崎芳仁が野原を切って4番手になった。それでも最終ホームでカマしてきた深谷に、俊敏にスイッチして絶好の展開をモノにした。
 「誰かが来そうな雰囲気はあったんで、反応できました。その後は誰かが仕掛けてきたら踏もうと思っていたので、気配を感じながら上手く(深谷と)車間を切れましたね。最後は郡司君とのゴール勝負だと思いましたけど、力んでしまわないようにペダリングを意識して踏み切れたと思います」
 新型コロナウイルスの影響を受けて全国で開催中止が相次ぐ中、今回は厳重な対策を講じて開催された。松浦が次節に控えていたダービーも中止が発表されたが、“今シリーズを成功させたことが今後につながっていく”と松浦は前を向く。
 「選手と関係者が力を合わせると無事に開催できるってことが、今回で証明できたと思います。選手とか関係者の安全が確保できれば、コロナウイルス感染拡大の影響がない競輪場での開催にもつながると思う。そのためにも、選手みんなと関係者で気をつけながらやっていきたいです」
 今のところ松浦が出走を予定しているのは、来月の宇都宮記念。今後も気持ちを切らさず練習に励み、競輪ファンに最高のパフォーマンスを披露する。

 完全優勝の期待がかかった郡司浩平だったが、松浦のけん制になかなか仕掛けられず2着までだった。
 「(赤板で山田に突っ張られたが)単騎が多かったし、そこは立て直せるなと思いました。上手く深谷さんの後ろにスイッチできればよかったんですけど、そこは松浦がソツなかったというか。最終バックで一回見てしまって仕掛けられず、躊躇してしまったんで、松浦の思うツボになってしまいました」

 最終2コーナーで郡司の後ろに切り替えた野原雅也が3着でゴールした。
 「(深谷に)山崎さんの外をカマされた時点で、見えてなかったです。そのスピードに松浦さんと郡司さんはスイッチしてきているんで、壁を感じたというか、えげつないなと思いました」

 深谷知広は単騎でも主導権を握ったが、末を欠いて4着に沈んだ。
 「行けることろから行こうと思っていました。チャンスあると思っていたし、仕掛けるところで仕掛けられたので、結果的には仕方ないですね。ダービーも中止になってしまったし、今後はどうなるのか全然分からない。海外にも出れないので、国内でやれることをやっていくしかないですね」

 地元の山田英明は最終1コーナーで中村浩士を飛ばして郡司を追いかけたが、村上博幸のけん制にスピードが鈍り、6着がいっぱいだった。
 「郡司君が仕上がっていたので、そこより前で組み立てないと勝負できないなと思って突っ張りました。でも結果、内も外もごちゃごちゃして遅れてしまいましたね。深谷が行った時に反応したかったけど、できなかった。その中で松浦と郡司は対応しているので、僕もできるようにしていきたいです。来年までにもっともっと強くなっておきたいと思います」

Race Playback

レース展開3
 直線で郡司浩平選手とのS班対決を制した松浦悠士選手が、今年4V目を達成した。

レース経過

誘導員 : 山口貴弘

 号砲で内枠から勢い良く出た山田英明が正攻法に構える。山田には大坪功一が付けて、以下は郡司浩平-中村浩士、野原雅也-村上博幸、深谷知広、松浦悠士、山崎芳仁の順で周回を重ねる。 赤板前から踏み上げた野原に合わせて3番手から郡司も動く。前受けから郡司を切らせずに突っ張った山田を野原が打鐘前に押さえて先頭に立つ。松浦が近畿勢を追いかけて、山田は4番手に。外併走を嫌った山崎が野原を叩いて出たところを単騎の深谷が一気に踏み込んで最終ホームで主導権を取る。これを俊敏に追った松浦が2番手に収まり、郡司が続いてバックを通過。前との間合いを計りながら徐々に車間を詰めた松浦が直線で鋭く追い込んで優勝を飾った。郡司が2着に流れ込み、さらに続いた野原が3着。逃げた深谷はゴール前で末を欠いて4着に敗れた。

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