充実ぶり際立つ松浦悠
今年もG戦線で貫禄を示しているS班勢だが、中でも今シリーズの主役を務める松浦悠士のスピードは素晴らしい切れ味だ。今年は1月和歌山記念、同月高松記念を連覇と最高のスタートダッシュを決めると、全日本選抜の決勝は積極果敢に先行して清水裕のG1初Vに大きく貢献した。この決勝で落車し2月奈良記念を欠場したが、3月松山記念着、ウィナーズカップ着と落車の後遺症はまったく見られない。ウィナーズカップは清水の逃げに乗り、G2大会初Vを達成した。今年はGレースばかり5場所参戦してオール優参、3Vの成績は申し分ない。松浦には宮本隼輔の存在も心強い。調子を落としていた時期もあった宮本だが、現在は好調時のような力強さを取り戻している。2月松山で今年初Vを飾ると、同月奈良記念は3連勝で優参。ウィナーズカップの二次予選は逃げて2着に粘り、差した松浦とワンツーを決めている。宮本の仕掛けに乗る展開なら松浦の優位は更に拡大する。
スピードの切れ味なら郡司浩平も引けを取らない。全日本選抜着、ウィナーズカップ着とビッグレースの連対率は抜群だし、G3では3月玉野記念で優勝している。昨年の勝率は33%だったのに対し、今年は3月末までで47%と大幅にアップしているのはスピードに磨きがかかった証しだろう。同県の松坂洋平も地力強化を感じさせる走りを披露している。2月小倉G3をはじめ今年は早くも2V、ウィナーズカップの毘沙門天賞は郡司のまくりに続いて2着。郡司が好位置キープから自力を出せれば神奈川ワンツーは十分だ。
地元勢では山田英明に期待がかかる。昨年はビッグレースで1回も決勝に乗れなかったが、今年は全日本選抜で着と好走している。3月はあっせんが止まっただけに練習は十分に積めたはず。当所記念は68周年大会を制しているが、連覇を目指した昨年は準決で無念の落車に見舞われた。2度目の地元記念Vに闘志を燃やす。
注目を集めるのは高橋晋也、山崎芳仁、小松崎大地の福島勢だ。高橋は将来性豊かな新鋭レーサーで、ビッグレース初参戦のウィナーズカップで着と4日間確定板入りを果たした。1月平記念の決勝は、高橋が駆けて番手の山崎が優勝している。ここも高橋が主導権を握るようなら福島勢から優勝者が出る場面も大いにあろう。
今年はまだ優勝には手が届いていない村上博幸だが、相変わらず大崩れは少ない。野原雅也が2月玉野でV、ウィナーズカップ着など調子を上げているので、近畿勢の動向には注意したい。
関東勢の自力型手薄の不利はあるが、諸橋愛の突っ込みには警戒したい。3月松山記念準V、ウィナーズカップ着と堅実だ。