• 国際自転車トラック競技支援6/11〜6/14

後記 GⅢ 青森 06/11

隅田洋がG3でS級初優勝

隅田洋介

隅田洋介

決勝優勝写真
決勝優勝写真

 アッと驚く結末だった。今期の競走得点は96点台。前検日には「S級点に勝負駆け」と話していた隅田洋介がS級初決勝の舞台で大仕事をやってのけた。
 「G3の決勝はもちろん、F1も準決勝4着が最高でS級で決勝に乗ったのは今回が初めてなんです。今回は本当に恵まれました。持ってますね」
 二次予選Aでもワンツーを決めていた信頼できる練習仲間の長島大介の番手回り。まくりのスピードをもらって、Vロードを駆け抜けた。
 「全部、(長島)大介にお任せしてました。普段、一緒に練習している仲で強さは知っているので。大介が行けるかなって思ってました。そうすれば差してワンツーですからね。でも、止まってしまったんで最後は外を踏ませてもらいました」
 この優勝で11月に行われる小倉競輪祭の出場権利を獲得したが、7月にA級降格が決まっている。出場するには選考期間の8月末までにS級に特進するしかない。
 「来期はA級なんですけど、とりあえず自力で、あとは相手次第で臨機応変に走ろうと思っています。やっぱりS級で先行で逃げ切って、上に上がれる選手になりたい。競輪祭のこともあるので、特進してS級に戻れればいいですね。とりあえず1個ずつ積み上げていくしかないです」
 G3ウィナーとして、周りからの注目度は格段に高まる。これからどんな走りを見せてくれるのか楽しみだ。

 位置を取ってからのまくりで出し切った鈴木庸之だが、惜しくも優勝に手が届かなかった。
 「(伊早坂が)ジャンであんなにフカすと思わなくて普通に前に離れた。先に切って伊早坂が来て、ホームではいっぱいだった。(位置を取ったあとは)まくりにスイッチか、止めて出るかで、(蒔田を)止めたら止まったので。(最後は)フラフラでしたね。『競輪』はできたし、いつも通りの動きができた。これで競輪祭に出れるので頑張りたいですね。車輪とかいじれる部分もありますね。運が良くてじゃなくて、脚が戻って連にからめています」

 後方から懸命にまくり上げた長島大介は3着に入るのが精いっぱいだった。
 「外々をまくっていっぱいになった。キツい位置でしたね。初手でああなるなと。本当はノブ(鈴木)さんの動きがしたかったけど、それはお互いが思っていること。力がなかったですね。仕方がない。最低限でした。(隅田の優勝は)栃木の選手みんながびっくりでした」

 G3初決勝に挑んだ*伊早坂駿一はライン2車でも果敢に主導権を握った。
 「ただ先行するだけっていう感じになってしまいました。蒔田さんが来たのが見えて、そこからもう全開でした。もうちょっと引きつけるなりして、踏み方を考えないといけないですね。でも、いい経験になりました」

 同じくG3初優出の蒔田英彦はライン3車の強みを生かせなかった。
 「初めてのG3決勝は何もさせてもらえなかった。ノブ(鈴木)に上手く立ち回られて難しかった。想定外の競走になった時に切り替えられなかった。これがG3の決勝なんですね」

 蒔田の番手を回った山賀雅仁も見せ場なく敗れた。
 「二次予選、準決勝と人の後ろだったし、(決勝に)運よく乗れたって感じだった。そういう時は勝てないですよね。でも一番悔しいのはマッキー(蒔田)のダッシュに離れたことですね」

Race Playback

レース展開3
 隅田洋介選手が練習仲間の長島大介選手のまくりに乗って直線一気。初のS級決勝でG3優勝の快挙だ。

レース経過

誘導員 : 内藤宣彦

 号砲が鳴り、最内枠の渡邉晴智が飛び出して前を取り、蒔田英彦-山賀雅仁を迎え入れて南関勢が前受け。以下は、鈴木庸之-朝倉佳弘、長島大介-隅田洋介、伊早坂駿一-山下渡で周回を重ねる。 青板の2センターから動きかけた伊早坂を長島がけん制し、先に上昇した鈴木が蒔田を押さえてハナに立つ。そこを赤板の1センターで伊早坂が叩いて主導権。蒔田はすかさず巻き返しを図るも、伊早坂のスピードに車は進まず、5番手に戻って打鐘を迎える。最終ホームから再び仕掛けた蒔田だったが、力尽きて後退。逃げる伊早坂に、次は2コーナー手前から鈴木が襲い掛かり、さらに後方から長島もまくり上げる。長島はバックで先頭に立った鈴木に好回転で迫ったが、朝倉のブロックでスピードが鈍って直線へ入る。それでも長島に勢いをもらった隅田は大外を鋭く伸びてGIII初優勝を飾った。

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