隅田洋がG3でS級初優勝
アッと驚く結末だった。今期の競走得点は96点台。前検日には「S級点に勝負駆け」と話していた隅田洋介がS級初決勝の舞台で大仕事をやってのけた。
「G3の決勝はもちろん、F1も準決勝4着が最高でS級で決勝に乗ったのは今回が初めてなんです。今回は本当に恵まれました。持ってますね」
二次予選Aでもワンツーを決めていた信頼できる練習仲間の長島大介の番手回り。まくりのスピードをもらって、Vロードを駆け抜けた。
「全部、(長島)大介にお任せしてました。普段、一緒に練習している仲で強さは知っているので。大介が行けるかなって思ってました。そうすれば差してワンツーですからね。でも、止まってしまったんで最後は外を踏ませてもらいました」
この優勝で11月に行われる小倉競輪祭の出場権利を獲得したが、7月にA級降格が決まっている。出場するには選考期間の8月末までにS級に特進するしかない。
「来期はA級なんですけど、とりあえず自力で、あとは相手次第で臨機応変に走ろうと思っています。やっぱりS級で先行で逃げ切って、上に上がれる選手になりたい。競輪祭のこともあるので、特進してS級に戻れればいいですね。とりあえず1個ずつ積み上げていくしかないです」
G3ウィナーとして、周りからの注目度は格段に高まる。これからどんな走りを見せてくれるのか楽しみだ。
位置を取ってからのまくりで出し切った鈴木庸之だが、惜しくも優勝に手が届かなかった。
「(伊早坂が)ジャンであんなにフカすと思わなくて普通に前に離れた。先に切って伊早坂が来て、ホームではいっぱいだった。(位置を取ったあとは)まくりにスイッチか、止めて出るかで、(蒔田を)止めたら止まったので。(最後は)フラフラでしたね。『競輪』はできたし、いつも通りの動きができた。これで競輪祭に出れるので頑張りたいですね。車輪とかいじれる部分もありますね。運が良くてじゃなくて、脚が戻って連にからめています」
後方から懸命にまくり上げた長島大介は3着に入るのが精いっぱいだった。
「外々をまくっていっぱいになった。キツい位置でしたね。初手でああなるなと。本当はノブ(鈴木)さんの動きがしたかったけど、それはお互いが思っていること。力がなかったですね。仕方がない。最低限でした。(隅田の優勝は)栃木の選手みんながびっくりでした」
G3初決勝に挑んだ*伊早坂駿一はライン2車でも果敢に主導権を握った。
「ただ先行するだけっていう感じになってしまいました。蒔田さんが来たのが見えて、そこからもう全開でした。もうちょっと引きつけるなりして、踏み方を考えないといけないですね。でも、いい経験になりました」
同じくG3初優出の蒔田英彦はライン3車の強みを生かせなかった。
「初めてのG3決勝は何もさせてもらえなかった。ノブ(鈴木)に上手く立ち回られて難しかった。想定外の競走になった時に切り替えられなかった。これがG3の決勝なんですね」
蒔田の番手を回った山賀雅仁も見せ場なく敗れた。
「二次予選、準決勝と人の後ろだったし、(決勝に)運よく乗れたって感じだった。そういう時は勝てないですよね。でも一番悔しいのはマッキー(蒔田)のダッシュに離れたことですね」