和田真久留が2度目の記念制覇
盤石のシフトを敷く地元勢に松浦悠士が牙をむいた。分断策に出た松浦と郡司浩平で松井宏佑の後位は激しい競り合い。ラインの3番手でためていた和田真久留が鮮やかに突き抜けた。
「まったく想定してない展開でした。松井君にすべて任せていました。松浦君と郡司君が自分の目の前でやりあって刺激というか、すごい競輪をしてるなって感じてました。(ラインの3人)それぞれが自分の持ち場をしっかり守ることができた。3人で決まれば一番良かったですけど、郡司君が失格してしまったのが唯一、悔いの残るところですね。自分としては3番手の仕事に専念してました。まだあんまり実感はないですけど、地元で勝てたことはうれしく思います」
今シリーズは初日から3日目まで番手戦。そして決勝は3番手と4日間、すべて人の後ろを回った。南関の力を通して肌で感じたシリーズだった。
「今回は松井と(渡邉)雄太、(郡司)浩平というトップの自力選手の番手を回れて、貴重な経験になりました。それぞれみんなタイプが違うけど本当に強いです。彼らの前で自力で勝負できるくらいの力をつけていきたいですね」
若手の台頭が顕著な南関勢は地区全体が活気づいている。和田もその一員として役割をしっかり果たす。
「最近はいい走りができていなかったけど、このまま追い込みに変わるわけじゃない。より一層、タテの脚を磨いて、G1の舞台で南関の一躍を担えるように」
次のG1は10月の寛仁親王牌。そこまでにさらにパワーアップして、GI獲りに名乗りを上げる。
松井宏佑は初日からオール連対の準優勝。連日、ラインの先頭で持ち味を発揮した。
「(松浦が)来るのが遅ければ突っ張って、早ければ引いて自分のダッシュを生かした仕掛けをしようと思っていました。郡司さんのところで止まったので。3人全員でとはいかなかったですけど、(和田)真久留さんが優勝で良かった。今開催はけっこういい走りができたと思うので、共同杯も決勝に乗れるように頑張りたい」
郡司に競り負けた松浦悠士だが、見せ場たっぷりだった。懸命に立て直して4位入線。3着に繰り上がった。
「地元勢が前を取ってあの並びになった時点で(松井の)番手も考えていました。松井君が引くかなって思ったので叩こうとしたら(赤板前の)4コーナーからけっこう踏んだので。相手が地元なので行くなら外からって決めてました。飛び付きは考えていませんでしたね。地元に気を遣って負けるのは違うと思うし、自分の立場上、車券に貢献しないといけないと思って勝負にいきました。これが正解かはわからないですけど、やるべきことはできたと思います」
前団がもつれて吉澤純平はにとっては絶好のまくり頃かと思われたが、不発に終わった。
「前の決着がついてなかったので、行けると思ったんですけどね。ペダルがあたってしまった。あそこから郡司が(番手から)出ると思ったんですが、そうならなかったですね」