渡部幸訓がG3初制覇
渡部幸訓が初のG3決勝の舞台でチャンスをモノにした。即席でラインを組んだ竹内雄作を目標に得意バンクで抜群の勝負強さを発揮した。
「まさか自分が獲れるとは思ってなかったです。チャンスがあればと思っていたけど、不思議な感じですね。佐々木(悠葵)君が突っ張って思っていた展開と違ったけど、竹内君が思い切って行ってくれたんで展開が向きました。踏み出しはしびれましたが、出切ってからはある程度、回しながら余裕がありました。宇都宮は本当に相性がいいですね」
追い込みに転向して着実にランクを上げてきた。昨年は2度のS級優勝に、9月伊東の共同通信社杯ではビッグ初出場を経験した。今後はG3ウィナーとして、注目度は格段に高まる。
「優勝の実感は全然ないけど、これからだと思ってます。最近、追い込みに変わったので、経験値をもっと上げていきたいですね。ヨコも課題がまだまだ多いですから。ひとつひとつ勉強して、先行選手との信頼を築いていきたいです。それを一番大事にしたいですね」
5月には京王閣の日本選手権で初のG1出場を控えている。追い込みの技術にさらに磨きをかけて、強力な北日本ラインの中で存在感を示す。
別線勝負となった関東勢。佐々木悠葵を目標にした杉森輝大がコースを突いて2着に強襲した。
「(佐々木は小川が)見づらくて判断が難しかったと思います。スピードに乗る前に(竹内が)来てしまった。佐々木君は脚を使っても、もう1回踏めるくらい強いのは分かっていたので迎え入れて、そこから自分でコースを探していました。ちょっと踏むのが遅かったですね。もう少しシビアに踏めれば良かったです」
まくった竹内雄作は3着。力を出し切っての結果に納得している。
「佐々木君が誰かを突っ張るのは想定していました。3番手の位置でこだわるつもりだったけど、流されすぎて内で詰まるのも嫌で、車を下げました。そこからは呼吸を整えてワンつテンポ遅らせて行った。ここ最近にないくらい加速は良かったです。出切ってからはペースに入れたけど、このレベルになると追い込みのスピードが違うから最後は行かれました。でも、自分が勝つように走ってラインから優勝者が出たので良かったです」