実力横一線で大混戦
超ド級の自力型が見当たらず横一線のV争い。狙いは絞りにくいが、小松崎大地の機動力を重視して本命に推した。今年はまだ優勝には手が届いていないものの、1月平着、同月岸和田記念in和歌山着とまずまずのスタートを切ると、全日本選抜は着と2回の確定板入り。一次予選は先行して粘っているし、3走目に寺崎浩の逃げにまくりで迫った脚勢は悪くなかった。ここのところ長走路は走っていないが、当所は平成30年の開設69周年記念で決勝に乗った実績がある。位置取りも視野に入れた柔軟性ある自力攻撃で優勝をものにしよう。
まくりの破壊力には素晴らしいものがある小川真太郎の単にも魅力を感じる。全日本選抜の一次予選では小松崎大の逃げをまくりで仕留めているし、3月取手着の準決では上がり11秒1の快速まくりを炸裂させて圧勝した。仕掛けがツボにはまれば久しぶりのVゲットも。小川には中四国スジで柏野智典が続くか。最近の柏野は差し脚が冴えている。1月豊橋記念では一次予選、二次予選を連勝すると、全日本選抜は着と2勝をマーク。好位置占めれば勝ち負けに持ち込める状態にある。
地元の当所では素晴らしい成績を残している神山拓弥も有力な優勝候補だ。記念開催では68、69、70、71周年と4年続けて決勝に乗っている。今年は2回の準Vを含み7割近い連対率を誇っていて調子も良好だ。今シリーズは山岸佳太、宿口陽一、佐々木悠葵など関東勢の自力型がそろっていて、勝ち上がり戦から有利に戦える。2月当所では無念の失格を喫しただけに、汚名返上を期して気合が入る。注目株は新鋭の佐々木。まだS級での経験は浅いものの、G3初参戦だった2月高松記念で1着と好走すると、同月高知ではS級初Vを3連勝で達成している。S級で通用している自慢のスピードを遺憾なく発揮できれば主役を演じても不思議ではない。
岐阜勢は竹内雄作、川口聖二と自力型がそろった。なかなか上昇気流に乗れずにいる竹内だが、2月松阪着、同月四日市着とF1戦ながら成績はまとまってきた。今シリーズのメンバーならパワーは見劣りしないだけに、主導権さえ握れればしぶとく粘る場面もありそうだ。最近の川口は組み立てに幅を持たせているが、竹内と一緒なら迷わず前で駆けよう。
岡村潤もシリーズ屈指の追い込み型。2月全日本選抜では3連対するなど、鋭いタテの脚は争覇の一角を占める。堀内俊介、内山雅貴と南関の機動型の欠場が相次いだが、望月一成が調子を上げている点は頼もしい。たとえ目標不在のメンバー構成になっても、長走路のここなら自慢の差し脚で優勝争いに加わってくるだろう。