• 広島競輪場 全プロ記念競輪5/29〜5/30

後記 FⅡ 広島 05/29

地元の松浦悠士が昨年の豊橋に続く連覇

松浦悠士

松浦悠士

スーパープロピスト優勝写真
スーパープロピスト優勝写真
スーパープロピスト優勝写真

 役者が違った。新型コロナウイルス感染症拡大の影響で無観客にはなったものの、ゴールを先頭で駆け抜けたあとのウイニングランでは松浦悠士が右手を軽く挙げて画面越しのファンにアピールした。
 「地元は3割増しですから。しっかりと結果が出て良かった」
 4月の武雄記念、ゴールデンウイークのダービー、そして前回の函館記念で3連続V。ダービー王として地元に帰ってきた松浦にプレッシャーがないはずはなかった。が、その重圧を力に変えて4場所連続の優勝という形に結実させた。
 「(前回までの)3連覇はやりすぎですけど、(今回は)地元なので負けられないっていう思いだった」
 「スーパープロピストレーサー賞」は、清水裕友とのタッグと思われたが、清水が初日にまさかのシンガリに敗退。短期決戦の今シリーズは清水との連係が実現しなかった。ただ、1つ前の11レースで清水が勝ち星を挙げると、そのバトンを引き継ぐように松浦も人気に応えてみせた。
 「11レースで(清水)裕友が1着を取ってくれたんで、僕も1着を取らないとっていう気持ちが増しました」
 レースは思惑通りに運んだ。古性優作が押さえて出て先頭に立つと、単騎の鈴木裕が中近ラインに続いて3車で出切る。中団まで引いた吉田拓矢との併走も想定内だった。
 「考えた通り。あとは(外併走から)自分がまくれるかどうか。外併走でも脚はたまっていた。あとは(古性が)すんなり先行なら、坂口(晃輔)さんも鈴木(裕)さんも車間を空けると思った。番手は越えられるかなと。あとは古性君との勝負だと」
 坂口の横を通過して最終3コーナーに突入。古性のブロックが届かない外をスピードの違いでのみ込んで、初日に交わされた小倉竜二の追撃を退けた。
 「昨日(初日)はフォームが突っ込んでしまったんで、その原因もハッキリしていた。だから、(最終日は)アップの時から体重を後ろに残すように。体の使い方とフォームを意識した」
 3着に沈んだ初日からの変わり身は明らかだった。「昨日と全然違った。もう一段加速していたし、さすがですね」と、小倉も頼れるS班を絶賛した。
 「ダービーでは裕友に頑張ってもらったんで、(6月の高松宮記念杯で)一緒の時は僕が前がいいかなと思っている。その辺はまた(清水と)話ながら。今回もしっかりタテが出てるんで(次の別府記念も)すごい楽しみです」
 次回、6月5日からの別府記念を経て、G1の高松宮記念杯。6場所連続優勝でのG1連覇も今の松浦にとっては“やりすぎ”ではないだろう。

 初日に続いて松浦の番手を回った小倉竜二が、4分の3車輪差の2着。
 「(松浦は外併走からだったけど)普通のまくりみたいだった。出足がキツかった。(吉田が)引かなければ外併走からっていう感じだったんで、まくる自信はあったんだと。強いですね」

 吉田が内に包まれて力を発揮できない。最終バックで8番手の鈴木庸之は自力に転じて強襲も3着まで。
 「(吉田)拓矢も(松浦が)叩いてくれると思っていたんだと。もう少し拓矢も抵抗してくれれば…。ラインとしてはまったく機能しなかったですね。自分の感触は切り替えてから3着まで伸びているから、前回の函館よりも踏めていたし良かったですね」

Race Playback

レース展開4
地元の松浦悠士選手がまくりで別線を仕留めて1着。小倉竜二選手が2着に入り、人気の中四国ラインでワンツー。3着に鈴木庸之選手。

レース経過

誘導員 : 池田良

 吉田拓矢-鈴木庸-諸橋愛、松浦悠士-小倉竜二、佐藤慎太郎、古性優作-坂口晃輔、鈴木裕での周回。 青板2センターで動いた古性が赤板過ぎに前団を切る。3番手にはそのまま鈴木裕が続き、切り替えてきた松浦ラインと関東勢で4番手以下が併走に。松浦も吉田も互いに譲る気配はなく、これを見た古性が腹をくくって最終ホーム入り口からペースを上げて先行勝負に出る。一方、内に詰めて関東勢の動きを封じていた松浦は2コーナーからまくり発進。坂口の3コーナーでのけん制をしのぎ、2センターで古性をとらえて先頭に立つ。松浦には小倉が続き、3番手には佐藤を飛ばして坂口が切り替えてくる。ゴール前では小倉に詰め寄られたが、松浦が押し切ってV。3着には大外強襲の鈴木庸が坂口を交わして入った。

ページトップへ