地元の浅井康太が30回目のG3制覇
3車のラインができあがった関東勢の先頭を務めた宿口陽一が叩きに出るが、郡司浩平が突っ張り両者の踏み合い。関東ラインに続いていた単騎の浅井康太も外に浮いていたが、最終ホーム手前で最後方ながらも下げていったん態勢を整えた。1コーナーで宿口が力尽きて後退。入れ替わるように浅井が踏み込んで、S級S班の4人を含めた前団に襲い掛かった。逃げる郡司後位の守澤太志が3番手からまくった清水裕友をブロック。清水がなんとか乗り越えたものの、浅井のスピードが違った。直線の入り口で清水に並ぶと、あとは後続を置き去り。2着の園田匠を2車身ちぎる完勝で、昨年12月の別府以来となるG3制覇を飾った。ホームの四日市ではすでに4度のG3優勝があった浅井だが、松阪は12年以来2度目。それだけにひと味違ったことだろう。S級S班返り咲き、昨年は逃したグランプリ出場に弾みをつける地元Vだった。
清水ライン3番手の園田匠は、最終2センターで外に持ち出し浅井を追うように2着に伸びた。
「清水君があそこの位置を取り切ってくれた。(最終)ホーム前のところですね。(中本匠栄と)2人とも頑張ってくれた。自分は余裕もありました。連対を外さなくて良かった。今の流れを途絶えさせないように。脚はいいので」
積極策に出た郡司の頑張りに、守澤太志は清水のまくりを必死のブロックも、その外の浅井には対応及ばず。直線でコースをこじ開けて3着に入った。
「まさか(郡司が)駆けるとは思わなかった。あの展開になれば、清水君が来ると思ったので、止めようと思った。でも、その上(浅井のまくり)は無理でした。良くないなかで決勝の確定板にのれたことは収穫でした」
郡司が宿口を突っ張り切り、清水裕友は3番手を確保。最終2コーナーからは意地のまくりで前団をとらえたが、直線で余力はなかった。
「セオリー通りに位置を取ってでしたけど、脚を使っていたので出なかったですね。昨日(3日目)、一昨日(2日目)みたいに位置取りに脚を使わなければ。今回は久々にいいところもあった」
直線で失速した郡司浩平は8着に沈んだが、関東勢を出させずにレースを支配した気迫は今後に生きることだろう。
「なにがなんでも(先行)って感じではなかったんですけど、あのタイミングでは引けなかった。自分ではもつように駆けたつもりだったけど、最後はパクパクしてしまった。普段から長い距離を踏むレースをしていないからですし、そういうところも今後考えていかないと。(復帰場所で)4日間走れたことがまず良かったですし、どんな状態でも最低限の決勝には乗れた。決勝は人気になっているところで、早いスパートになってしまったのはどうかなとは思うけど、つながると思う」