健脚そろい熾烈なV争い
8月小田原記念でまたしても落車と落車禍が止まらない平原康多だが、出走なら本命視したい。好調時のような迫力ではないにせよ、怪我の程度が酷くなければオールスター着のように戦える状態には持ってこれる。そして、宿口陽一、黒沢征治ら同県の自力型がそろっているのは平原には何よりもの追い風だ。悪い流れを断ち切り直後の共同通信社杯に弾みを付けられるような結果を残したいところ。高松宮記念杯でタイトルホルダーの仲間入りを果たした宿口は、オールスターでは着と4勝を挙げた。二次予選は直線で前が塞がり力を出し切れずに終わったものの、連日の脚勢は申し分なかった。黒沢は持ち味の自力攻撃に一段と磨きがかかった印象だ。8月松戸記念の二次予選では、完全マークの佐藤慎の差し脚を封じて逃げ切っている。好連係を決めれば埼玉で上位独占は大いにありそうだ。
全日本選抜を制し、真っ先にグランプリの出場権をゲットした郡司浩平を重視する手も十分。その後もダービー着、6月別府記念、7月福井記念はともに着など勝ち星を量産していたが、オールスター、8月小田原記念を病欠している。体調には一抹の不安が残るものの、豪快な一撃を決めてV奪取しても不思議ではない。
中部勢を束ねるのは浅井康太だ。今年はまだGレースでのVはないものの、F1戦で3V、ダービーで決勝進出を果たしている。オールスターでの動きも悪くなく、チャンスが巡ってくればものにできる状態にある。皿屋豊は最近の動きは今ひとつの感もあるが、竹内雄作はオールスターでは一般戦ながら1勝を挙げていてまずまずの調子だ。
オールスターは着と尻すぼみに終わった清水裕友だが、平原、郡司の近況を考えれば責任感が増すことだろう。オールスターは一次予選2でのらしくない仕掛けで不発に終わったのが尾を引いた結果。気持ちを切り替えて臨んだ小田原記念は着はらしさが見られた。いつも通りの攻撃的な自力勝負で主役を演じる可能性は十分。3月にウィナーズカップを制覇した地で再び躍動するか。
差し脚の鋭さが際立つ守澤太志も有力な優勝候補。6月別府記念で今年の初Vを飾ると、その後はビッグレースで立て続けに優参。高松宮記念杯、オールスターではいずれも決勝3着と好走している。まくりの機動力もあるので、ラインの目標が不在の時でも軽視できない。
稲川翔、三谷竜生の近畿勢も侮れない勢力だ。稲川はオールスターの一次予選2では脇本雄の逃げを差している。落車負傷明けだったサマーナイトよりも差し脚が切れていた。三谷はオールスター着、惜しくも優参は成らずも動きは悪くなかった。三谷の自在戦が奏功なら近畿勢が浮上してくる。