郡司浩平が地元記念完全制覇
東京オリンピック代表の新田祐大、復調一途の清水裕友、さらにはオールスターでタイトルホルダーの仲間入りを果たした古性優作。GI並みの好メンバーがそろい、誰が勝ってもおかしくない決勝戦。それでも、郡司浩平が地元のエースとして意地を見せた。
古性、清水の順で切って郡司は6番手の位置。すぐ後ろの8番手には新田が控えているだけに、見えないプレッシャーをひしひしと感じながらの組み立てだった。
「新田さんのカマシを警戒しながらでしたね。新田さんはすかさず引いて立て直す形だったし、連日積極的な競走をしていた。カマシに対応できなければ、あの位置は最悪の位置になってしまう」
だが、連日の組み立てとは対照的に、打鐘を過ぎても新田の仕掛けはない。腹を括った清水がそのままペースを上げて最終周回。清水のカカリがよく、中団の古性も仕掛けられない。新田に後手を踏ませはしたが、決して郡司にとってベストな展開とは言えなかっただろう。それでも新田の仕掛けに合わせて3コーナーから車を外に持ち出すと、2センターから踏み込んだ古性のさらに外を鋭く強襲。古性を4分の1車輪交わした所がゴールだった。
「前のカカリがよくて、古性君も仕掛けられない感じだった。古性君が仕掛けるだろうなって頭になっていたから、(最終)2コーナーで詰まったところを反応できなかった。そこの詰まりと、あおりでタイミングが狂ってしまった。新田さんの仕掛けも来て、3コーナーの登りで一番車が出ないところで仕掛けた。その登りを我慢できて、伸びましたね。自然と自転車が伸びてくれました」
4月川崎記念を制して以来、通算12度目のGIII優勝。これで川崎、小田原、平塚と、3つある地元の記念を完全制覇。まさに神奈川のエースの名に恥じない活躍ぶりだ。
「平塚では昨年のグランプリでも思うような結果を出せなかったですし、平塚記念で借りを返したかった。平塚記念は何回も呼んでもらっているのに、ラインから優勝者を出せず、結果を出せていなかった。ホッとしています。(今節は)流れ自体も、仕掛けも良かったですし、次(のGI)につながる開催でした」
次走は21日からの寛仁親王牌。地元で最高の流れに乗った郡司は、GIの大舞台で更なる輝きを放つ
切って中団を確保した古性優作は、最終2センターからのまくり追い込みで勝負をかけたが、最後は郡司の強襲に屈して2着。
「(初手は)あの位置しかなかったので一回切ってから考えようと思っていました。ジャンで清水君が凄く踏んでいって。カカリとローリングにやられて2コーナーで腰が抜けた。それでバックで詰まってしまって。昨日(3日目)は結構踏んだので疲れが残っている感じでしたね。ここまで4日間(状態の)上下がある開催はなかなかないです。筋肉は締まりましたけど、体力がなかった。昨日とは全然、違いました」
清水マークの小倉竜二は、清水は交わしたものの、その外を郡司と古性に伸び負けて3着だった。
「清水君のカカリが良かったですね。ローリングも入っていましたし。誰か(まくりに)きてくれれば良かったんですけど、4コーナーまでためてって感じだったので難しかったですね。3コーナーを過ぎて、もう前に踏むしかないって感じでしたけど。まあ、でも(自分が)万全の状態でもあの2人には抜かれていたと思います」
新田祐大は後方不発で8着。今節は積極的な内容が光っていただけに、決勝の運びが悔やまれる。
「相手に単調にレースをさせてしまった。自分が動くべきところで動かなかった。結果として判断ミスです。今回の敗因を見つめ直してまたトレーニングをしていきます」