最後の最後は絆の勝利
デビューから5年と10カ月。G3決勝は4回目の挑戦となる瓜生崇智が初優勝を達成した。レース直後の開口一番には「夢みたいです」と喜びを表現。決勝メンバーが出そろった時、瓜生の位置取りが注目されたが、気持ちは固まっていた。「佐々木(豪)君は同期同班で、清水(裕友)君は高校時代から自転車部で仲もいい2人」。絆の強い3人がレースを支配した。先頭を務めた佐々木が赤板の1コーナーを目がけてスパート。ハイピッチで駆けると番手の清水は最終2コーナーの下りから勢いをつけて番手発進。別線の機動型には仕掛ける隙を与えなかった。
「2人に任せていて、チャンスがあるところから踏ませてもらった。(自分は)連結をはずさないように。山本(伸一)さんが自分のところにからんでくるかなと思っていたので、しっかりついて行けて良かった。余裕はなくて、裕友が踏んでいって2センターから思いっきり踏んだ」
「神様っているんですね。(記念)初優勝で、自分で優勝できるとは思っていなかったのでビックリです」。自身でも驚きの優勝とはなったがシリーズ中には、いままでと違う感覚も得ていた。
「今開催はいろいろな人の助言、アドバイスが体にすんなり入ってきた。こういうのが神様のお告げなのかな」
ラインの力で優勝できたことを強調する瓜生。これからも、自分にできることを最大限にやっていく。
「ラインの絆のおかげで勝たせてもらったので、これからは自分のやれることをしっかりやって、ラインの絆を強くできていければ」
最後に、連係した2人へ「この恩は一生忘れないです」と、締めくくった。
単騎で最後方に置かれた郡司浩平。最終1センターからは内に進路を取り、4コーナーで内のコースに行き、中を猛襲して意地を見せるも、2着までが精一杯だった。
「9番手でしたし、小松崎さんも行けない感じだったので。(外は)脇本さんぐらいしか行けないんじゃないですかね。詰まって詰まって行ける所までと思いましたけど、その前で勝負ありでしたね。単騎でしたし、着を拾うというよりは優勝しか意味がないので。ラインがあればまた違うと思うんですけど、今回はしょうがないですね」
清水裕友は最終バック前から番手まくりを打ったものの、3着という結果に。
「情けないですね。(脚を)削られていたし、(佐々木が)ホームで流さないで行って、強かったですね。悪くても2着にならないと。一杯でした。番手まくりに行く前から、行きたくないくらいでした。昨日(16日)、一昨日と良かったですけど、今日は勝ち切れなかった」