安定感際立つ平原康
ダービーの結果で多少評価は変わってくるかもしれないが、連の軸として最も信頼性が高いのは平原康多だろう。安定プレーには定評がある平原は、今年は一段と安定している。4月末までにG3で3Vを飾っての18勝を挙げていて、勝率はジャスト6割。連対率もジャスト7割という高い数字だ。自力攻撃の破壊力には抜群の威力があるし、番手戦もそつなくこなしている。今の充実ぶりなら当所記念初Vを達成するとみて中心視した。
郡司浩平を重視する手もある。今年は1月和歌山、4月川崎記念で優勝するなど4月末までに17勝を挙げていて、勝率は53%。昨年の41%をかなり上回っている。今シリーズの南関勢の上位陣には自力型が少ないので、自力勝負が多くなるか。スピードの切れには素晴らしいものがあり、好スパートを決めてのVゲットは十分だ。小原太樹、鈴木裕が郡司を盛り立てる。
戦力が最も充実しているのは北日本勢だ。佐藤慎太郎、守澤太志のSS班に新田祐大、菊地圭尚、小松崎大地など、自力型、追い込み型ともにバランス良くそろっているので、勝ち上がり戦から有利に戦えそう。今年はまだGレースの優勝こそない新田だが、全日本選抜で決勝3着、4月は京王閣、青森とF1戦ながら6連勝していて、ワールドクラスのスピードを遺憾なく発揮している。タイミングよく仕掛けて主役を演じる可能性は大いにありそうだ。佐藤は相変わらず堅実そのもので、差し脚にも磨きがかかった印象がある。今年は決勝を外したのはウイナーズカップしかないし、2月静岡記念、4月平塚記念で優勝をものにしている。出番が巡ってくればきっちり勝てる状態にある。4月川崎記念あたりから伸びが戻ってきていた守澤だが、同月武雄記念で落車。体調には一抹の不安が残る。地元の菊地圭尚は調子上向き。いい状態で地元記念を走れるのは久しぶりなので期待は大きい。
ウイナーズカップを制した清水裕友だが、その後は欠場が続いていて実戦に姿を見せていない。快速まくりを決めて首位に躍り出る場面も考えられる実力者ながら、調子の判断ができないので評価は難しい。ダービーの動きを見て再評価するのが賢明か。
動向が注目されるのは稲川翔だ。今期は一息不足の場所が続いていたが、4月武雄記念では準決を俊敏な立ち回りから勝ち星をものにすると、決勝は正攻法からの突っ張り先行を敢行。関東4車ラインの先頭を任された吉田拓を不発に陥れた。近畿勢は総合力で劣勢なのは否定できないものの、躍動感が甦ってきたので目が離せない。
ダークホースは原田研太朗だろう。最近は勝ちまくっていた頃(16連勝)の勢いが影をひそめていたものの、4月久留米では取鳥雄の逃げを利してのまくりで今年5V目をゲットした。主導権争いが激化して展開がもつれるようだと十八番のまくりが飛び出す場面もありうる。