番手からチャンスつかむ
「こういうメンバーで1着が取れるイメージがなかった。(今回は)特別(G1)とは違うけど、特別級のメンバーで優勝できたのは自信にもなります」
北日本の結束力が光ったレースでもあった。古性優作、荒井崇博の急造ラインを含めて細切れの4分戦。3車の北日本勢の先頭を務めた新山響平が、守澤太志を優勝に導いた。
「(新山は)いつも強いんだけど、いつも以上に掛かってて強かった。踏みすぎたりしてタレたりもするけど、今日(最終日)は最後まで踏めてて、抜きにいくのもキツいくらいでした。新山君とは特別の決勝で連係したいってずっと走っているけど、まだ一度もそれがない。ここは特別じゃないけどうれしい」
松浦悠士を連れた太田竜馬、4番手の古性、6番手の吉田拓矢。どのラインも隙を見せれば、どこからでも襲い掛かってくる歴戦の猛者たち。そのなかで新山が落ち着いてペースを上げて、レースをつくった。それでも古性がまくりで飛んでくる。守澤は三度のブロックで古性を止めて直線を迎えた。
「(4番手は)古性君だと思ったし、古性君のまくりはキツいんでプレッシャーがすごかった。太田君が来たのもわかったんで1回振った。そのあとに古性君が来てしっかり止められた」
古性は失速も、今度は自ら踏み込んだ松浦が直線で守澤に迫ってきた。
「松浦君の影が見えたので思い切り踏んだんですけど、ゴールした時にはいかれてしまったかと」
ハンドル投げの勝負も、終わってみれば4分の1輪差。昨年12月広島記念での落車の怪我から落としていた調子も、完調に近いところまで戻ってきた。
「実戦ではいいころに戻ってきました。練習での出力がまだですけど。練習量がやっと戻ってきた感じです。6月は休みなんで、ここまで気持ちを切らさずに走ってきた。1回リフレッシュして、サマーナイトフェスティバル、オールスターに備えたい。来期の7月からまた気持ちを新たに一戦、一戦、頑張ります」
2月全日本選抜の失格の影響で、6月は残念ながらあっ旋がない。6月の1カ月間をトレーニングで充てて、さらなる上積みをもって勝負の後半戦を迎える守澤。7月の復帰を心待ちにしたい。
太田が不発になると、松浦悠士は古性と荒井崇博の間をシャープに伸びた。
「(太田が仕掛けたのが)だいぶスピードが上がっているなかだったので、ちぎれそうになりました。(打鐘の)4コーナーからの加速でかなり(脚を)使っちゃいました。荒井さんは外を踏むかなっていうのと、古性君なら(外に浮かずに)内を閉じ込めてくれると思ったので(あのコースを踏んだ)。悔しいですね」
古性と守澤の攻防を見極めて外を追い込んだ荒井崇博は3着。
「チャンスはあったね。とりあえず太田君だけは張って、自分のコースをって思っていた。(コースは)待って中だったかもね。外を回しても突き抜けられるように練習します。ちょっと自分の脚を過信したのと、コース取りのミスですね」