超一流による短期決戦
ダービーを豪快なまくりで制した脇本雄は不在ながら、SS班9名がそろっていて、G1に見劣りしない豪華メンバー。優勝候補は五指に余るが、この大会と相性がいいのは松浦悠士だ。20、21年と続けてスーパープロピストレーサー賞を制している。ダービーでは珍しく二次予選で早々と勝ち上がりを逃がしたものの、その後は松浦らしい競走で連勝していて、底力があるところを示した。盟友・清水裕友とのタッグで3連覇を目指す。その清水はダービーでは決勝に進出。ウィナーズカップで優勝した後は欠場が続いていたので、一抹の不安はあったものの、1走目の特選は6番手からまくり上げて2着に入り、勢いのまま決勝に乗っており不安を一掃した。松浦との前後は流動的だが、20年は清水が駆けて松浦を優勝に導いている。
今年は快調なペースで飛ばしている平原康多を重視する手もある。4月武雄記念で今年3つ目のG3をものにすると、ダービーは3連勝で優参を果たした。決勝は思い切りよく駆けた眞杉匠の番手回りを生かせず、ダービー初Vを逃がしたのは惜しまれるが、総合力の高さを疑う余地はない。連係実績が豊富な吉田拓矢、諸橋愛と関東ラインを形成して18年以来となる2V目を目指す。吉田はダービーで平原と1走目の特選、ゴールデンレーサー賞と2度連係。特選は先行、GR賞は4番手からのまくりでいずれも平原に差されはしたが2着に粘りワンツーを決めている。
古性優作は17年のチャンピオン。今年は全日本選抜で2つ目のタイトルを手中に収めると、ウィナーズカップ、ダービーと続けて決勝に進出している。昨年にオールスターを制覇した後は、完全に一皮むけた印象がある。俊敏な立ち回りから2V目ゲットの場面は大いにありそう。
ダービーでは準決で無念の2着失格となった郡司浩平。絶好調といえるような動きではなかったものの、安定感ある競走を披露していた。豊かなスピードを生かした自力攻撃は破壊力抜群で、今年はG3で2Vを飾っている。勝負所を逃さず好スパートを決めれば首位に躍り出ても不思議ではない。
新田祐大、佐藤慎太郎、成田和也とそろった福島勢。佐藤はダービー着。決勝は平原を目標から準Vとらしさを遺憾なく発揮していたが、新田は前検日の指定練習で落車し、本番を欠場したので体調には不安が残る。北日本勢では守澤太志が完全復活。差し脚に切れが戻っており、ダービーでは着と好走している。
浅井康太もダービーでは前検日の指定練習で落車した。だが、1走目の特選は古性マークから直線で鋭く伸びて勝ち星をゲットしていて戦える状態にある。動向には注意したい。