• 松阪競輪場開設72周年記念蒲生氏郷杯王座競輪10/7〜10/10

後記 GⅢ 松阪 10/07

今年2度目の記念VでG1に弾み

山田久徳

山田久徳

決勝優勝写真
決勝優勝写真
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 「(三谷)竜生が(最終)2コーナーで仕掛けてくれたのが一番大きい。ここしかないっていうところで行ってくれた」
 シリーズ2度目となる三谷竜生とのタッグ。三谷が3番手を確保して、地元3車の先頭を務めた皿屋豊は6番手から反撃に出かけたが、前団のあおりもあってブレーキをかけた。そこに浅井康太が接触して落車。アクシデントが発生したが、近畿コンビは自分たちの走りに集中した。
 「(落車で)ガシャンってなって後ろの気配がなくなった。でも、竜生がどこでいくかわからなかったんで、(三谷マークに集中して)誰がコケたのかわからなかったですね」
 5月ダービーの失格の影響で9月はあっ旋がなかった山田久徳にとっては、今シリーズが1カ月以上ぶりの実戦だった。
 「8月の終わりは脚が落ちてた。走り過ぎだって(村上)博幸さんにも言われました。(9月は)ほぼ休まず、バッチリ練習をやってきた」
 レース勘の不安もあった一次予選では、三谷のまくりを交わしてワンツー。不安を一掃して、確かな手ごたえをつかんでいた。
 「まだ自力の時はもうひとつの感じがあるけど、こんなにいいとは思わなかった。竜生が強かった。あれ(初日)を抜けたのが大きかった」
 皿屋は外に浮いて後続の仕掛けはなかったが、三谷が車間を詰める勢いでまくる。逃げる太田竜馬を三谷がとらえて、山田が続く。直線では2人の勝負。あとは交わすだけだった。
 「展開も味方しましたね。ただ、まくりを抜けているのは大きい。こんだけうまいこといくとは思ってなかったです」
古性優作のまくりを追い込んで優勝した1月の高松以来のG3制覇が、通算4回目となった。
 「デビューして正直、ここまで記念を獲れるとは思ってなかった。いまの制度(4日制)では1回獲れればいいと。記念は難しいので、(優勝は)うれしいです」
 G1初舞台の10年から12年以上がたち、山田も35歳。若くして近畿の機動型として、身を削ってきた。昨年はG1ファイナルも経験。タイトルを視野に入れてもいい存在だ。
 「このあと1週間ちょっとありますけど、しっかりと練習して、しっかり勝ち上がりたい」
 10月20日からは寬仁親王牌。山田は欲張ることなく、これまで通りに地に足をつけて歩んでいく。

 逃げた太田を射程圏に入れた三谷竜生が、まくりで別線を一蹴。シリーズを通してらしい動きが目を引いた。
 「太田君は結構、しっかりと踏んで待っていた。緩めれば行く準備はしていたけど、あの上を叩くのはキツいかなと。諸橋(愛)さんが中部の後ろにいたんで、4車で出切られたら(自分たちは)ないなって思いました。そのあとは自分のタイミングで(まくって)いった。調子に問題はないけど、楽に抜かれているので、もうちょっと頑張ります」

 単騎の諸橋愛は地元勢の仕掛けに託すように打鐘では9番手。浅井の落車を内に避けると、そのまま前に踏んで6番手で皿屋と併走。優勝は遠かったが、横一線の3着争いを制した。
 「(前受けの地元勢が)突っ張るっていうのもあったし、あれでジャンで行くと思った。(皿屋が)やめたのが意外でしたね。そのあとはコンマ5秒くらいですかね、迷ったんですよ。皿屋君を使った方がいいのか、使わなかった方がいいのか。その分もありました。迷わずに踏んでればっていうのもありますけど、まずは無事だったんで」

Race Playback

レース展開4
 山田久徳選手が、三谷竜生選手のまくりを交わして優勝。近畿ワンツーでの決着。離れた3着には諸橋愛選手が入った。

レース経過

誘導員 : 柴崎俊光

 号砲で1番車の浅井康太がいち早く正攻法の位置を確保。皿屋豊-浅井-坂口晃輔の地元勢が前受けで、単騎の諸橋愛がその後ろ。以下は三谷竜生-山田-岡光良、太田竜馬-大塚健一郎で周回を重ねる。 青板3コーナーで太田が上昇を始める。皿屋も誘導との車間を切って突っ張るかに、太田を出させる。諸橋の切り替えはなかったが、三谷ラインが西コンビに続き、皿屋は6番手で出直し。赤板1コーナーから先頭に立った太田は徐々にペースを上げていって先行態勢に入る。皿屋は打鐘で巻き返しに行きかけるも止めてしまい、皿屋の動きに対応し切れなかった浅井が突っかけて2センターで落車してしまう。後続のアクシデントを尻目にそのまま駆けていく太田に対し、3番手でじっくりタイミングを図った三谷が仕掛けたのは最終バックからだった。前の2人を力ずくで乗り越えた三谷には山田がぴったりと続き、岡は太田、大塚の後ろへ降りて直線へ。三谷をゴール前で交わした山田が1月高松以来の記念Ⅴを飾り、三谷は2着。3着は横一線も、外コースを伸びた諸橋が入った。

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