不惑の福田知が笑顔のG3初制覇
03年7月のデビューから実に20年目にして、福田知也がG3を初制覇。今年不惑を迎えた男がついに歓喜の輪の中心に立った。
「嬉しいっすね。9レース制(で寬仁親王牌組が不在)だけど、それでも良いメンバーがそろった。その中で優勝できて嬉しい」
根田空史は周回中に6番手からの組み立て。赤板で根田が押えて、そのまますんなりと先行する流れになった。中団を占めた佐々木豪は最終2コーナーからまくり上げる。福田は最小限の動きでけん制すると、返す刀で追い込んで抜け出した。
「佐々木君が地元で獲りたいってコメントしてたので、前を取るっていうのは想定していました。後ろから押えて駆けられれば、そうそうまくられることはない。根田君のカカリがよかったし、ある程度引きつけて、真横まで来た時に仕事をした方がもつれると思った。阿部(力也)君が内に来ることは想定していました。割られないようにとだけ思って踏みました」
今年だけでも、福田が根田の番手から1着を取ったのはこれが6回目。両者でのワンツーが極端に多く、お互いの信頼関係は数字以上のものがある。
「顔見せの時の根田君のダッシュの感じが今日(最終日)が一番よかった。あれで、8割方決まったなって自分の中で思ってたんですよね。あとはライン3人での勝負だなって。でも、最後は根田君を残すとかは考えられなかった。そこだけは反省点です」
郡司浩平を筆頭に、深谷知広、そして根田と、南関勢には屈指の機動型がそろっている。その後ろを回ること。回れる選手でいられるかどうかが、福田にとっての大きなテーマだ。
「今回の番組を経験して、点数があれば二次予選、準決と根田君の番手を回れる。コンスタントに110点台をキープしていきたい。そうすれば、郡司や、深谷だったり、南関で良い位置を回っていけるし自分にもチャンスはある。次は小田原F1ですけど、違反訓練があるので追加は入らないと思うし配分が空く。みっちり練習します」
G1組が不在の中で、南関の層の厚さを改めて示した。そしてたとえG1組がいたとしても、福田がその中に埋もれてしまう選手ではないことは確かだ。
南関勢マークを選択した阿部力也が、福田に続いて2着。
「悔しいというか情けないですね。選んだラインも間違ってはいなかったですし、根田君のカカリも良くて脚はたまっていたのに…。(最終)2センターで杉森さんが外を差し込んだのがわかったので、そのタイミングで佐々木君を張りながら外を踏めば優勝があったかもしれないので。迷って待ってしまった分、伸びなかったですね」
初手から根田ラインを追った単騎の*杉森輝大が3着。
「たぶん根田君の先行になると思っていたので。ほかのラインが根田君に前を取らせるようならまた別の位置を考えましたけど、あの位置で良かったと思うので。でもいいところで被ってしまいましたね。もうちょっと車間を空けていれば良かったんですけど、たぶん福田さんが車間を空けたタイミングで詰まってしまって。もうあそこしか踏むコースはなかったですね」