脇本雄に犬伏湧が挑戦状
最近は共同通信社杯で決勝を外すなど、好調とは言えない脇本雄太だが、9月向日町記念では圧巻の走りで別線を圧倒し4連勝を達成。輪界第一人者の底力を示し、昨年に続き完全Vで連覇を飾った。決勝は上がり11秒2の好タイムで逃げ切っていて、完璧マークの稲川翔をまったく寄せ付けなかった。これで今年の優勝はダービー、オールスターのG1大会2回を含め2ケタの10回に乗せている。勝率は83・3%、連対率は92・5%で、どの数字をとっても抜きんでている。トップスピード、ダッシュ力、持久力と3拍子そろった脚力は他の追随を許さない。今シリーズも異次元の走りで別線を沈黙させる公算が大きい。近畿勢の上位陣は追い込み型が手薄なので、脇本には岡崎智哉が続くか。両者は共同通信社杯の一次予選で連係したばかりだ。原田研の逃げを上がり10秒6の超速まくりで仕留めた脇本に、岡崎がきっちり続いて近畿ワンツーを決めている。すんなり脇本の番手を回れれば共同通信社杯の再現は大いにあろう。
渡部哲男が地元Vに闘志を燃やす。今年はまだ優勝には手が届いていないものの、7月佐世保記念では1着と3連対を果たすと、オールスターの一次予選2は清水裕に食い下がり2着に入っているように調子に問題はない。チャンスが巡ってくればものにできる状態にある。渡部が頼りにするのは犬伏湧也だ。トップスピード、ダッシュ力には定評があり、今年のF1戦での5Vはすべて3連勝で飾っている。ただ、共同通信社杯の二次予選Aで落車した影響があるのか、9月広島2着は末脚の甘さが目立っていた。輪界トップの脇本が相手だけに調子の上積みは欲しいところ。果たしてどこまでやれるか。
北日本勢も高橋晋也、菅田壱道、阿部力也と戦力は整っている。先導役を務める高橋のスピードは一級品。少し古いが、6月松戸G3の決勝は脇本のまくりには屈したものの、逃げて4分の3身差の2着に粘り、あわやの見せ場を作った実績がある。9月向日町記念では1着と2勝を挙げていて、最近の調子も悪くない。好スパートを決めて波乱を呼ぶか。菅田は成績に波があり安定感には欠けるものの、9月小倉でまくって優勝した脚勢は力強かった。一発の魅力を秘めている。
武田豊樹、杉森輝大、山岸佳太の茨城勢は、山岸が先頭で総力戦か。最近の山岸は最終バック先制回数が多いように調子は良好だ。脇本と真っ向勝負では分の悪さは否定できないので、脇本を後方に追いやっての先まくりに活路を見い出すか。展開が大きくもつれるようなら怖い存在となりそう。
根田空史は9月向日町記念の準決で脇本と対戦。最終ホーム前の2センターから先頭に立つと、快調なペースで逃げまくった。ゴール前で脇本に捕まり4着も好内容だった。