• 豊橋競輪場開場73周年記念ちぎり賞争奪戦1/26〜1/29

後記 GⅢ 豊橋 01/26

脇本雄が危なげなく押し切る

脇本雄太

脇本雄太

決勝優勝写真
決勝優勝写真

 先行日本一。脇本雄太が改めてそれを証明し、和歌山記念に続いて完全Vを飾った。
 スタートけん制が入り、古性優作が前を取る。赤板を過ぎても、何も動きがない。予想だにしない展開の中で、脇本は腹を決めた。
 「(誰も動かないのは)意外だった。その中でも冷静に対応できた。誰か来ても引くんじゃなくて、突っ張りが考慮にありながらのあの先行だった。誘導を切るつもりだったし、自分のタイミングが来て踏んで勝負できた」
 圧倒的な脚力があることはもちろんだが、幾度となく連係を重ねた古性との信頼関係があるからこそ、瞬時に覚悟を決められる。もっとも警戒すべき坂井洋が3番手にいても、もはやそれは関係ない。
 「坂井君がサラ脚とかは正直気にしていられないし、古性君と決められると思った。古性君なら、ブロックもできるし、ゴール前勝負もできる。僕も、古性君も、やることをやった上での勝負。最高に良い勝負ができたと思います。古性君とゴール前勝負に持ち込めたことが、今回の収穫だと思います」
 圧倒的な人気に応えることが、王者の使命。その使命感から、ここまでの3日間は全てまくりに構えていた。だが、古性とならば先行でも2人で決められる。次は中2日で奈良記念と、ハードなスケジュールをこなす。だが、そこにも古性がいる。まずはしっかりと体を整えて、お互いの連係の精度をさらにブラッシュアップさせる。
 「しんどいし、体自体にダメージはある。疲れた状態で奈良記念に入ると思う。しっかりケアをして行きたい」
 もう、脇本が負けるイメージが浮かばない。

 マークした古性優作が2着。これで今年5度目の脇本とのワンツーだ。
 「これは脇本さんが持つ距離やなって感じでした。(ペース配分が)めっちゃうまかったですね。回して踏み込んで回して。最後の踏み直しも凄かったですし。ゴールに向かってどんどん伸びていく感じでしたね。自分は誰か来ても仕事をする準備はできていましたし。正直、後ろがどうなっているかはわからなかったんで。脇本さんは普通の選手と違うので。最後に踏み込むポイントも違いますし、自分がミスったのもありますけど、シンプルに強かったですね。間合いの計り方だったり」

 終始3番手を回った坂井洋が3着。脇本の強さの前に、なすすべがなかった。
 「車番が悪かったので、駄目なら前からと思ってたけど中団が取れた。正直誰も動かないのは…。(最終)1センターで行きたかったけど、脇本さんはペースだし、古性さんにも見られていたので。車間を空けようと思ったけど、古性さんも同じように車間を空けだしていて、車間が空かなかった。やっぱり車間を詰めていく感じじゃないと差せない。勇気を出して仕掛けないと仕方ないですよね」

Race Playback

レース展開4
 脇本雄太選手が別線を完封して逃げ切りで優勝。8分の1輪差の2着に古性優作選手。3番手から追い込んだ坂井洋選手が3着。

レース経過

誘導員 : 高橋和也

 スタート直後のけん制から、古性優作が誘導を追いかける。脇本雄太-古性が前団になり、坂井洋-久木原洋、片岡迪之-岩津裕介-池田憲昭、山口拳矢-小堺浩二で隊列が落ち着く。 赤板を迎えても動きは見られず、そのまま隊列は変わらない。1センターから山口はインを進出。脇本は2コーナーで誘導を降ろして、前受けから先行態勢に入る。片岡に締められた山口は、7番手で打鐘を通過する。連結を外した池田が最後方になり、脇本の先行でレースは流れて最終周回。脇本のペースに3番手の坂井、5番手の片岡は動けず、バックからまくった山口は不発。直線で坂井が外に持ち出して前に詰め寄るが、最後は近畿コンビのゴール勝負。古性をわずかに退けた脇本が、逃げ切りで完全V。坂井が3着。

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