脇本雄の豪脚が炸裂
昨年は異次元の脚力を遺憾なく発揮し、別線を沈黙させ続けた脇本雄太。ダービー、オールスター、グランプリを含め圧巻の12Vを達成し、勝率は8割を上回った。獲得賞金は輪界で初めて3億円を突破。競輪の歴史に新たな1ページを刻んだ。トップスピードが高いうえに航続距離も長く、加速力も素晴らしいとなれば、別線が2段駆けで対抗しても、あっさり飲み込んでしまうのも当然か。余程のアクシデントでもない限り、主導権を握って押し切ろう。脇本とのタッグが続く古性優作も昨年は充実していた。全日本選抜、高松宮記念杯とG1で2Vを達成し、獲得賞金ランキングは第2位、平均競走得点は第3位にランクされている。しかしながら、グランプリは脇本の仕掛けにきっちり続き、渾身の力を振り絞って抜きにかかるも4分の1輪差及ばなかった。脇本はラインを組む仲間ながら最大の強敵だ。逆転に闘志を燃やす。
昨年はG1優勝には手が届かなかった松浦悠士。だが、全日本選抜、オールスターはいずれも準V、寬仁親王牌は決勝3着と常に優勝争いを賑わしていた。サマーナイトでは一昨年に続き連覇、G3の優勝は5回もあり、年間を通して高いレベルの成績を残している。何でもこなすオールラウンダーだが、グランプリでは単騎ながら4車の北日本ライン分断を狙う気迫を見せた。中四国の先行型が少ないここは動向が注目される。原田研太朗は昨年のこの大会の覇者。4連勝で飾っているし、10月にも稲川翔らを相手に1❶着と優勝していて当所は相性がいい。ただ、連勝記録を伸ばしていた昨年に対し、今年はF1戦で続けて決勝を外すなど、勢いにはかなりの差がある。現状では過大評価は禁物か。
グランプリは5着入線も無念の失格となった守澤太志だが、新田祐の後位に追い上げる闘志を見せたし、直線の伸びも悪くなかった。寬仁親王牌で準V、11月四日市記念❶着、競輪祭❺着と昨年は後半に調子を上げていただけに、いい状態を維持しているとみていいはず。今シリーズは北日本の自力型が手薄の不利をどう克服するかが浮沈の鍵となりそうだ。
地元地区の中部勢は意地を見せたい。重鎮の浅井康太をはじめ山口拳矢、橋本優己、志田龍星と若手の自力型がズラリとそろっている。浅井は69周年の覇者であり、今年は初戦の1月別府でVと好スタートを切った。好連係を決めて台風の目と化すか。
競輪祭ではG1初の決勝進出、12月広島記念❷着など、力強さが際立っていた坂井洋だが、その後は同月小松島、1月西武園と一息不足の場所が続いている。ゴール前で失速する場面もあり、本調子を欠いている印象だ。強豪が相手だけに調子の上積みが欲しいところ。