• 大垣競輪場開設70周年記念水都大垣杯3/4〜3/7

後記 GⅢ 大垣 03/04

犬伏湧也が圧巻の記念初V

犬伏湧也

犬伏湧也

決勝優勝写真
決勝優勝写真
決勝優勝写真

 全日本選抜競輪でも圧巻のスピードで3勝を挙げていた犬伏湧也。昨年の広島記念以来、2度目となる記念決勝の舞台で初優勝を成し遂げた。
 「記念は初(優勝)だったんで嬉しいですね(同期の中で一番に記念制覇を達成したが)そこは意識していないですね。自分でもこんなに早く獲れるとは思っていなかったですね」
 デビューから1年10か月。まだ初々しさの残るルーキーがS班の古性優作や平原康多、地元の山口拳矢らをまとめて封じて見せた。
 初手は後方の7番手。残り2周から別線が動いても動じることなく9番手で己の仕掛けに徹するためにチャンスを窺っていた。
 「(レース前は)緩んだらすかさず仕掛けようと思っていたんですけど。優勝できなかったとしても見せ場を作ることを意識していました。だいぶ緩んでいたんで、ジャンの所でも行けましたけど、一個(タイミングを)待ってから仕掛けました」
 今年に入り1周半をモガき切ることを意識して戦っていた犬伏にとって約1周のカマシは射程距離。2コーナーから4コーナーにかけて吹き込む追い風も味方して上がりタイムは10秒8。後方から古性優作が10秒7でまくり上げてきたが、5車身千切ってゴール線を駆け抜けた。 
 「もう残り1周だったんで、しっかり駆け切って全力で踏むだけでした。いつも行っている距離よりも短かかったんで、最後まで踏み込みはできたかなって。バックでもスピードが良かったんで、もしかしたらって」
 今年1月はあっせんしない処置のためレースから遠ざかってしまっていたが、パワーアップして戻ってきた。
 「全日本選抜から手応えは良くて、気持ちを切らさずに今回も(決勝まで)やってこれたんで(優勝に)つながったと思います。(あっせんしない処置の期間は)自分を見つめ直すいい機会にもなりました」
 次走は18日から別府競輪場で行われるウィナーズカップ。5月に行われる全日本選手権にも出場予定で、自慢のスピードでシリーズを沸かせる。
 「(次の目標は)G1の決勝に乗りたいですね。準決勝で負けてしまっているので。(タイトルを狙うというよりも)そこは一個ずつやっていきたいんで」。
 
 一番人気を背負っていたのはS班の古性優作だ。初手は中部勢の後ろで5番手に構える。残り2周手前から動き始めたライバルの動向を窺っていたが思ったよりもペースは上がらずに対応が遅れてしまった。
 「ジャンの所で犬伏君がくるかなって思っていたんですけど。思ったよりもピッチも上がらなかったんで、あれなら自分が先に1周踏み切るくらいの方が良かったですね。(犬伏がホームからカマしてきたが)あの距離だったんでヤバいと思いました。(前回から中4日で)ちょっと今回はほんまにしんどかったですね。ただ思った以上にやれたと思うんで。(準決勝で)ラインを連れて行けるレースができていれば決勝もまた違ったと思う。次はウィナーズですけど、腰も痛いしケアしながら準備していきたいですね」

 山口拳矢は69周年大会に続き2年連続2度目の地元記念の決勝に挑んだ。1番車を生かして初手から思惑通りにレースを進めたようにも見えたが、スローペースの中で犬伏に抜群のタイミングで巻き返されて苦しい展開を強いられてしまった。
 「初手はどっちが前でも中団を取ろうと思っていました。駆けるのは岩谷(拓磨)君だと思っていたし、犬伏君のあれ(カマシ)も頭にはあったんですけどね。低速からだったんで追いつけなかったですね。2コーナーから仕掛けたかったんですけど(古性と井上昌己に)挟まれてしまって1回バックを踏まされてしまったので厳しかったですね」

Race Playback

レース展開4
 何の気遣いもなく思い切りダッシュした時の犬伏湧也選手の爆発力は半端なかった。単騎ガマシで、全日本選抜覇者の古性優作選手以下をぶっ千切って記念初優勝を決めた。

レース経過

誘導員 : 志智俊夫

 号砲で久木原洋が出て、誘導の後位を占めるが、平原康多は前受けを嫌ったか、なかなか上がってこない。しぶしぶ平原が上がって、平原-久木原、山口拳矢-岡本総、古性優作、坂本貴史、犬伏湧也、岩谷拓磨-井上昌己で隊列が落ち着いたのは青板バックだった。 すぐにレースは動きだし、3コーナーから岩谷、これに合わせて山口も上昇を始める。平原がけん制するが、山口、岩谷は赤板過ぎにほぼ同時に前に出て、先に切った山口を押さえて2コーナーから岩谷が主導権を奪取。山口が3番手をキープし、5番手が下げた平原と古性で併走となって打鐘。結局、平原は1車引いて、初手から古性を追った坂本と併走を始める。一方、最後方となった犬伏だったが、4コーナーで一気にカマす。爆発的な加速力を見せた犬伏は2コーナー入り口で岩谷を交わし、そのままグングン後続を引き離していく。ワンテンポ遅れて古性も仕掛けるが、スピードに乗った犬伏までは遠い。バックでは井上も番手まくりに出るが、その外を乗り越えて古性が犬伏を追う。だが、直線に入っても犬伏は差を詰めさせず、独走状態でゴール。2着は古性で、3着には山口が入る。

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