• 久留米競輪場GⅢ大阪・関西万博協賛競輪4/27〜4/30

後記 GⅢ 久留米 04/27

ラインの力でS級初優勝

橋本壮史

橋本壮史

決勝優勝写真
決勝優勝写真
決勝優勝写真

 「F1でも優勝がなかったので、G3初優勝がS級初優勝」。昨年の大みそかにA級1、2班戦を3場所連続の完全V。今年の1月1日にS級に上がったばかりの橋本壮史にとっては、これがG3初出場。初めての9車立てと、初めてづくしで優勝の快挙を遂げた。
 開口一番に「朝倉(智仁)君のおかげです」と、レースをつくった同県で同門の朝倉へ感謝の気持ちを語った。
 「赤板のところで粘られることも視野に入れて構えていた。4車で出切ったのを確認できた」
 朝倉と橋本の自力両者に、小林圭介と岡田泰地と茨栃ラインは強力な布陣。それでも橋本は、別線の動きを警戒することを怠らなかった。赤板過ぎに飛び出してハイペースで駆けた朝倉のスピードが落ちると、最終2コーナーは自ら前へ踏んだ。
 「(番手から出る)判断が遅れるとマズいと思ったから、早めだけどいかせてもらった。小林さんと岡田さんが付いていて、朝倉君の分まで(ラインで)ワンツースリーを決めたいなと。3車で決められたし、ラインで勝ったと思っている」
 初日は1レースの1番車で注目を集めて白星で突破したが、手応えを得たのは逃げ切った二次予選の勝利だった。
 「予選は緊張したけど、2日目から自力を出せて先行もできた」
 いきなりG3を優勝したが、F1の決勝戦もまだ1回のみ。まずは目の前にある競走で全力を尽くす。
 「もっと点数の高い人たちと戦うとやられると思うので、もっと力をつけたい。自分の中では必死に走っているが、F1戦でも決勝に上がれていない現実は変わっていない。F1でも優勝を獲れるように。それでG1で常連になれるようにしたい。G1優勝はもちろん目標です」

 小林圭介は初めてのG3決勝。番手から出た橋本に食らいついて2着をキープ。車単の1番人気に応えた。
 「いっぱいだったので、(岡田)泰地に抜かれるかと思った。必死に追いかけました。(今回は)後輩に頑張ってもらったおかげ。こんなチャンスないですよね。(G3決勝は)初めてで、2着に入れるなんて思っていなかった。(11月の競輪祭出場権の獲得は)考えてもいなかったけど、目標ができたのでちゃんと練習をしていきたい。茨城には若い自力選手が多いので、乗り遅れないように」

 岡田泰地は茨城勢の後ろをかためて、茨栃ラインに4車の厚みをもたらした。別線にからまれることもなく、ソツなく3着に入った。
 「こんなにすんなりいくとは。粘られる想定もしていた。朝倉君が頑張ってくれたおかげ。今開催は余裕があったのが一番の収穫。今までだとあの展開でまくりの3番手で追走いっぱいになっていたと思うけど、今回はゴール前で差し込みにいけた。フレームを今回から元に戻したのが良かったと思う。これで競輪祭の権利をゲットできたけど、実感がまだわかない」

Race Playback

レース展開4
 番手まくりを打った橋本壮史選手が優勝。同県の小林圭介選手が流れ込んで茨城ワンツー。3着に茨城勢の後ろを固めた岡田泰地選手。

レース経過

誘導員 : 穴井利久

 周回中は、伊藤慶太郎-柿澤大貴、林大悟-塚本大樹、朝倉智仁-橋本壮史-小林圭介-岡田泰地、嵯峨昇喜郎の並び。 赤板前の2センターから朝倉率いる茨栃ラインが上昇を開始。すると林も踏み上げて伊藤に並びかけるが、伊藤は突っ張る。あんこになった林は後退したが、伊藤は茨栃4車を前に出すと、嵯峨が茨栃勢の後ろに追い上げた。最終ホームは朝倉-橋本-小林-岡田、イン伊藤、アウト嵯峨、柿澤、林-塚本で通過。2コーナーで林がスパートしたが、橋本がバックから自力に転じたため、前との差は詰まらない。橋本-小林-岡田、嵯峨で直線へ。橋本の脚勢はまったく衰えず、続く小林を余裕で振り切り、G3初出場で初優勝を達成した。岡田の猛追を半車輪しのいだ小林が2着。岡田が3着で茨栃勢で確定板を独占した。

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