• 松戸競輪場開設73周年記念燦燦ダイヤモンド 滝澤正光杯8/26〜8/29

後記 GⅢ 松戸 08/26

番手から19回目のG3制覇

深谷知広

深谷知広

決勝優勝写真
決勝優勝写真
決勝優勝写真

 川越勇星がこれ以上ない展開をメイク。敢然と風を切った川越の気迫をひしひしと感じた。別線になった地元の岩本俊介の気配を察知した深谷知広は、番手まくりでその気持ちに応えた。
 「彼(川越)のなかで強い決意があった。気合がすごく伝わってきたんで、なんとか(ラインで)ワンツーを決めたかった」
 同地区の郡司浩平は、まさかの準決敗退。南関勢にとっては思わぬ事態になったが、郡司の後輩である川越が決勝で迷うことなく突っ張り先行に出た。地元勢とは分かれての戦いだったが、北日本の大森慶一が後位を選択。大森との上位独占が深谷にとっての使命だった。
 「なるべく引きつけてからと思ってた。そこは少し落ち着いていました。(岩本が来たので)前に踏ませてもらいました」
 脚を使わずに好位にいた平原康多でさえクギづけ。深谷は別線に影さえ踏ませることなくゴールを駆け抜けた。
 「ラインに助けられて優勝が続いている。ラインの力です」
 郡司を目標に1月の大宮記念を奪取。直近での優勝となった3場所前の伊東FIでは、北井佑季の先行を番手から追い込んでの地元優勝。それだけに深谷はラインに感謝を忘れずにこう口を開いた。
 「(今年の後半戦に向けて)これから上げていかないといけないので、気合を入れて頑張りたい」
 前回のオールスター初戦のオリオン賞は、単騎でシンガリ負け。狂ったリズムを勝ち上がりで取り戻すことはできなかったが、根田空史の番手で最終日に1勝。軌道修正した今シリーズも、初日特選で郡司の番手から勝ち切って波に乗れた。これまで数え切れないほど、先頭でラインに貢献している深谷だからこそ、ラインのありがたみはわかっている。今度はラインの引っ張って…。その強い思いは変わらない。

 4車の南関勢が分かれて、大森慶一は深谷後位を選んで2着。外枠ながらもロケットスタートで、ラインは思惑通りの展開に運ぶことができた。
 「一瞬、負けたかなと思ったけど、スタートは意地で取りました。(川越が)落ち着いて仕掛けていってくれて良かった。(最終)ホームでは詰まったけど、そのまま(深谷が)行ってくれた。(2着で)最低限のことはきっちりできたと思う。(深谷を抜くとか)そういうレベル(のスピード)じゃなかった。出ていった時に引きずり回されました」

 川越ラインの突っ張りを想定していた平原康多が、周回中は4番手を確保。脚をためてはいたが、番手まくりの深谷の加速にはお手上げだった。
 「普通にいったら後ろ攻めになって、突っ張られて岩谷(拓磨)君と同じ状態になってしまう。それで必死にスタートを取りにいきました。(川越ラインは)あれが見え見えだったので、後ろにいると勝負権がない。いまの状態でできることをすべてやろうと思ったが、深谷がすごかった。加速していっている感じだったので、仕掛けていける感じじゃなかった」

Race Playback

レース展開4
 川越勇星選手を目標に、深谷知広選手が番手まくりで優勝。大森慶一選手が流れ込み2着。3着に平原康多選手。

レース経過

誘導員 : 春日勇人

 号砲が鳴るとすかさず大森慶一が飛び出して誘導員を追う。初手は川越勇星-深谷知広-大森、平原康多-諸橋愛、岩本俊介-和田健太郎、岩谷拓磨-小川勇介の並び。 青板手前から岩谷-小川が上昇。それを見て川越も誘導員との車間を空けて、岩谷を警戒。バックでは川越が誘導員を交わして先頭に立つと、しだいにペースを上げていく。岩谷は8番手に戻り、初手の隊列のまま赤板を通過。ジャンでも一本棒のままで、深谷が川越との車間を切り始める。最終ホームで6番手の岩本がスパート。それに合わせて深谷も番手まくりに出る。岩本の勢いは止まり後退。深谷はバックを過ぎてもスピードが鈍らない。4コーナーを過ぎて大森が詰め寄ろうとするも、深谷が振り切ってV。深谷に続いた大森は2着まで。初手からこのラインを追走していた平原が3着に入った。

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