• 豊橋競輪場開場74周年記念ちぎり賞争奪戦9/28〜10/1

後記 GⅢ 豊橋 09/28

モツれを尻目に町田太我が逃げ切る

町田太我

町田太我

決勝優勝写真
決勝優勝写真
決勝優勝写真

 唯一の3車ラインを形成した中四国勢。その先頭を任された町田太我の頭の中には、突っ張り先行の組み立てしかなかった。
 「(赤板で)誰が来ても突っ張るつもりでした。自分達が前を取って車番通りに並べば、押さえに来るのは(川口)聖二さんなんで。そこを突っ張って、新山(響平)さんと併走してくれたらラッキーだなって思ってた。そしたらその通りになってくれました」
 中団のもつれを見ながらも、打鐘過ぎには自ら踏み上げてペースアップ。川口から4番手を守り切った新山がまくるが、松本貴治の過度なけん制を受けて失速する。これで展開が向いた面こそあるだろう。それでも、この逃げ切りVの価値は変わらない。初日に圧巻の逃げ切りを決めてから、4日間本来の先行勝負を貫いた結果がこの優勝だ。
 「(ラインの)後ろの方々のおかげだと思うし、感謝しかないです。諦めずに、気持ち一本で最後まで踏みました。豊橋は初めて走ったけど、風も強くて連日きつかった。レースが終わってからちゃんと休養できたのが良かった。前に勝ったG3は施設改善のG3だった。記念を獲ったのは初めてだし、嬉しいですね。自信になります」
 誰よりも力を出し切った今開催が終わり、次はG1の大舞台。記念ウィナーとして、寬仁親王牌に挑む。
 「まずはゆっくり休みたいです。それからしっかり練習して弥彦(での寬仁親王牌)に挑みたい。勝ち上がりとかは気にせず、力を出し切ることだけですね。そのなかで、決勝の1個前くらいのレースを走れればいいかな(笑)」
 最後は冗談でほのめかしたが、G1でもド先行のスタイルを曲げないことは確かだ。いよいよ本格化の兆しを見せる町田が、意気揚々とG1の舞台に乗り込んでいく。

 2着入線の松本貴治は斜行失格。稲川翔は、外に浮いた新山から中四国勢の後ろに降りて切り替える。3着入線から繰り上がっての準Vとなった。
 「前からはちょっと厳しいかなと。その点の判断も全て新山君に任せていました。しっかり普段は周りが見えているんですけど、(松本が)予想をはるかに越えた動きだったんで。乗り越えられるスピードだったんですけどね。そこからは無我夢中で踏んだ感じですけど、最後もきつくて。なんであんなにきつかったんだろう」

 決勝戦唯一のS班として臨んだ新山響平だったが、無念の8着。あそこまでのブロックをもらっては致し方ないか。
 「前からはいやだったので、中団かなと。(川口)聖二が外にはいたんですけど、町田が巧く駆けていましたし、当ててからその勢いで出ていけたんですけどね。ちょっと引っかかってしまって止まってしまった。(松本が)番手から出るのを考えていたんですけどね。乗り越えられれば良かったんですけど。この後は、中1日で地区プロでそのあとは久留米があるので、またそこに向けて調整していきます」

Race Playback

レース展開4
 番手の松本貴治選手が大立ち回りを演じて、流れは町田太我選手に。得意のペース駆けに持ち込んで後続の追撃を退けた

レース経過

誘導員 : 山内卓也

 号砲で松本貴治が出て正攻法の位置を確保。町田太我-松本-香川雄介、新山響平-稲川翔、荒井崇博、山田雄大、川口聖二-岡本となって周回を重ねる。 青板3コーナーから川口が上昇を開始。町田は突っ張る構えで、それを見越していた川口は新山をキメて4番手に割り込もうとする。だが、新山は譲らず中団は併走に。これを見た町田は冷静に打鐘3コーナーあたりからペースアップ。外の川口を退けた新山が最終2コーナーからまくるが、町田との車間を空けて待ち構えていた松本が強烈ブロックで止める。新山のスピードは止まる一方、香川、岡本が内に殺到してきて番手がモツれる。この後続の動きを尻目に最後まで快調に飛ばした町田が逃げ切りV。踏み合いを制した松本が2着に入るが失格で、直線伸びた稲川、荒井がそれぞれ2、3着に繰り上がった。

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