• 松阪競輪場開設73周年記念蒲生氏郷杯王座競輪9/23〜9/26

後記 GⅢ 松阪 09/23

今年4度目の記念は自力でV

郡司浩平

郡司浩平

決勝優勝写真
決勝優勝写真
決勝優勝写真

 南関地区ではただ一人の優出。しかしながら、日ごろの走りが物を言って、岡山コンビが後位を固めた。結果的には細切れの決勝で、郡司浩平に唯一の3車のラインができあがった。
 「他地区なんですけど、信頼して付いてもらった。(岡山勢に)期待してもらっている以上は、期待以上の走りをしようと思っていた」
 周回中は想定外の後ろ攻めを強いられたが、郡司は慌てず騒がず落ち着きはらっていた。いったん動いて先頭に立つと、九州勢が切って、そこを菅田壱道が勢い良く飛び出して先行態勢に入った。
 「(菅田が)ドカンと行くのかなっていうのはありました。あの形になれば自分で脚を使うよりも、(山田)庸平さんに追いかけてもらってと思っていた」
 打鐘過ぎに出た菅田は、迷うことなく加速する。3番手の山田は車間が空いてなかなか詰まらない。前団を射程圏に入れた郡司が、最終1センター過ぎに車を外に持ち出した。
 「3番手から行くとタイミング的に合わされたりもしていたと思う。5番手から行って、新田(祐大)さんが踏む前にと。3車のラインの厚みを生かして、最低でも5番手はと。単騎だとああいうレースは難しいですから」
 2コーナーからスピードに乗せた郡司は別次元。別線の仕掛けを察知して番手から自力に転じた新田を並ぶ間もなくとらえて、置き去りにした。
 「レースのなかで自分の持ち味を出していきたいと思っていた。それが出せて良かったです。本当にうれしいです」
 付けた岩津裕介を半車身、振り切ってのゴール。後方から詰め寄る浅井康太も4着までで、終わってみれば完勝。郡司ラインで3着までを独占した。
 「最近は不甲斐ないレースが続いていたので、こういうところでキッカケをつくってまた次に向かって一戦、一戦を頑張りたい。自力で獲れたのが大きいですね。自信につながります。せっかく流れを呼び寄せてきたので、これを崩さないように」
 静岡、小田原、富山と今年3度の記念Vはいずれもラインの番手、3番手でのもの。それだけにこの優勝が郡司にとっては、今年残りの2つのG1に大きな弾みとなりそうだ。獲得賞金ランクでは、いまのところグランプリ圏外。5年連続のグランプリ出場には黄色信号がともっているが、19年に共同通信社杯を制した思い出の地、松阪が足がかりにはなるだろう。

 郡司のまくりに危なげなく続いた岩津裕介が2着。郡司を称えた岩津は、これからの中四国連係を見据えてこう口を開く。
 「郡司君が強かった。(郡司の)仕掛ける感じがわかったし、番手まくりの上を行ってしまいましたからね。思っていたのと違う展開だったでしょうけど、(郡司は)落ち着いていましたね。自分の感じはいいです。このままさらにやっていきたい。郡司君も強かったけど、中四国にも強い子がいっぱいいるので食らいついていきたい」

 グレード初優出の坂本修一だったが、準決同様に頼れる同県の先輩、岩津がいた。岩津の後ろから流れ込んで、浅井との僅差の3着争いに踏み勝った。
 「(ラインに)迷惑は掛けたくなかった。走っていていつもと違う感じもあったけど、必死に付いていこうと。直線のところは膨らんでしまって、必死に締めていました。(準決、決勝と)岩津さんの後ろですごさ、落ち着きを感じた。一緒に練習をしているので、また頑張っていきたい」

Race Playback

レース展開4
 郡司浩平選手が5番手からスピードの違いでまくり切って優勝。岩津裕介選手、坂本修一選手の岡山勢が2、3着に流れ込んで、ラインで上位を独占。

レース経過

誘導員 : 谷口遼平

 号砲で浅井康太、新田祐大、山田庸平が飛び出してスタート合戦となるが、最内枠の浅井が正攻法の位置を確保。浅井-皿屋豊、菅田壱道-新田祐大、山田-中村圭志、郡司浩平-岩津裕介-坂本修一で周回を重ねる。 青板3コーナーで郡司が上昇を開始。浅井は引き、赤板ではまだ残っていた誘導の後位に郡司ラインが収まる。この上を2コーナーで山田が切り、さらに菅田が叩いて打鐘で先手を奪う。菅田の動きに反応して一旦は追い上げに行きかけた浅井だったが、すぐに思い止まって元の8番手に戻って一本棒。主導権を握った菅田は一気にペースを上げて、最終ホーム入り口では3番手の山田以下は北勢と口が空く。山田がようやく車間を詰めかけた2コーナーで郡司がまくる。気付いた新田もバック番手まくりで応戦も、スピードに乗った郡司はあっさり上を乗り越えていく。岩津-坂本の岡山コンビもしっかり続いて直線へ。そのまま郡司は岩津の追撃を振り切って今年4度目の記念Vを飾った。外強襲の浅井を退けて3着にも坂本が踏ん張ってラインでワンツースリー決着。

ページトップへ