難しい優勝のゆくえ
優勝候補は5指に余る大混戦のシリーズ。どこからでも狙えそうだが、同県の松井宏佑とタッグを組む郡司浩平に展開は向くとみて中心に推した。最近の郡司は大きな数字が目に付くように、やや成績に波があるのは気になるものの、8月富山記念では、北井佑の逃げを差して優勝をものにしている。チャンスが巡ってきた時はきっちり結果を出しており、松井が別線を沈黙させれば勝機は逃がすまい。今年の松井は高いレベルで成績がまとまっている。F1戦ながら4Vを飾っているし、高松宮記念杯、サマーナイトとビッグレースで続けて決勝に乗っている。ただ、オールスターの一次予選2で落車していて、その後は実戦に姿を見せていない。体調には一抹の不安が残るが、問題がないようなら南関ラインの先頭で強気に攻める。
ダービーでタイトルホルダーの仲間入りを果たした山口拳矢を重視する手もある。ダービーの後はやや調子を落としていたが、サマーナイトで➍着と決勝に乗ると、7月名古屋記念❶着。決勝は単騎ながら中部の牙城を守り抜いた。ここも中部のエースとして期待がかかる。機敏な立ち回りから好位置キープして自力を出せれば、主役を演じてもおかしくない。地元勢は浅井康太、柴崎淳、皿屋豊と動ける選手がそろった。中でも浅井は62、71周年大会を制した実績の持ち主。今年も4月四日市G3、6月大垣記念とG3で2Vを飾っている。中部勢がレースを掌握なら、首位に躍り出ても不思議ではない。
北日本勢は新田祐大、成田和也の福島コンビに、菅田壱道、竹内智彦の宮城コンビと駒数豊富だ。オールスターではドリームレース、一次予選2を連勝した新田だが、シャイニングスター賞で落車。その後は準決6着、最終日9着に終わり、8月松戸記念を欠場している。成田も6月久留米記念で優勝した後は病欠が多く、サマーナイト、オールスターは走っていない。福島コンビは体調が浮沈の鍵となりそうだ。ある程度での体調で参戦できるようなら、連独占も大いにある。
高松宮記念杯、オールスターとG1で続けて決勝に乗っている山田庸平も有力な優勝候補。今年は年頭から高いレベルで成績をまとめていて、獲得賞金ランキングは第10位(9月8日現在)。グランプリ出場も視界に入る位置に付けている。俊敏な立ち回りで優勝をものにする場面もありうる。ここは岩谷拓磨、松本秀之介ら九州の自力型との連係から勝機を見い出す。松本はオールスターの一次予選1をまくって快勝すると、8月松戸記念は1着と3連対。自力攻撃が冴えている。岩谷も今期は好成績。オールスターは振るわなかったものの、7月玉野、8月小倉でVをゲット。8月松戸記念は決勝に乗っている。